アガサ・クリスティの、有名な『オリエント急行殺人事件』を読みました。
昔から名前だけは知っていて読んだことのない本のひとつでしたが、読み終わった感想は、ちょっと微妙です。
ストーリーは、イスタンブールからカレーに向かうオリエント急行殺人事件の寝台車のなかで殺人事件が起き、そこに乗り合わせた名探偵ポワロがその真犯人は誰か?という謎に挑むというもの。他の車両とは隔離された車両で、しかも殺人が起こったのは完全な密室。折しも列車は豪雪で立ち往生。犯人が車外に逃げた可能性は低く、となるとまだこの乗客の中に紛れ込んでいると・・・。
確かに展開のテンポも早く、ぐいぐい読ませる力はありますが、しかしその結末はいささか拍子抜け。いや、人によってはこれを大どんでん返しと呼ぶかも知れませんが、少なくとも私にとっては、「そりゃないだろう」という感じ。
これ1冊でアガサ・クリスティを全て判断するのは良くないと思うのですが、一番有名な本がこの内容でしたから、他のを読んでみるかどうか、ちょっと判断に苦しみます。ここら辺は趣味の問題かも知れませんが、私にはその面白さはよく分かりませんでした。少し期待が大きすぎたのかも知れませんね。
Agatha Christie
Murder on the Orient Express
(Harper)
私はアガサの作品が好きで
昔結構読みました。
彼女の作品は結末が突飛ですよね。
全員は犯人だったり、
最後には全員死んじゃったり、
凄いのはポアロ自身が犯人だったりと
さすがに私もそりゃ、ないよねって言う話ばかり(笑)
でも彼女の作品の良さは
やはり解決までの描写が面白いのかなぁ~って思ってます。
魚花さんは英版だからもっとリアリティーがあったかもしれませんね。
だから、彼女の作品は映像化されるのではないでしょうか?
推理小説と考えるといささか考えるところありますが
ミステリー映画と考えると少し寛大になれるような気がします。
日本で言うと横溝シリーズが近いかもしれません。
ちなみにエラリークイーンの作品もよく読みましたが
確かに推理小説なのですが
視覚的描写が下手なのかどうなのかわかりませんが
それとも翻訳の問題かもしれませんが
早くから矛盾をなくすために説明がくどい部分があって犯人がわかってしまった作品がありました。
推理小説って矛盾と描写のせめぎあいみたいなところありますからね。
ファンの方には申し訳ないことをしてしまいました(笑)
結末が突飛なのは、「オリエント急行」だけではないのですね。
確かに発想としては面白いのですが、真犯人が絞られてこない
もどかしさというか、最後の最後で足元をすくわれた感じがしたのです。
ですが、確かに個々の登場人物の会話や持ち物、状況の描写から
ポワロが推理を重ねていくくだりは読みごたえがありましたし、
映像化には適しているのかなぁと思いながら読んでいました。
けれど、文学としての推理小説という範疇で考えると、
ちょっと全体的な構成が弱いのかなぁという印象です。
しかし、これ1冊で判断してしまうのも何なので、
もう何冊か読んでみようという気になっています。
英語はとても読みやすかったですしね。