Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

変わり塗り~研ぎ出し トライ

2011年05月07日 | ロッドビルド

いま取りかかっているカワハギ用の竹竿でいくつか新たに試してみたいことがあるのですが、その一つが変わり塗り(研ぎ出し)。

色々な方がやっておられるのを参考にさせて頂きながら、まずは一度、写真の肘当てを使ってトライアルすることにしました。これは竹竿の半製品キットに付いてきたもので、うまく出来ればそのまま使って良し、うまく行かなければまた他の肘当てを使えば良いという気楽なトライです。

結果から言えば、やはり一度やってみないと分からないことがたくさんあるもので、手間と時間は掛かりましたがトライをやって良かったと思っています。

                    

以下ご参考に、私がやった手順です。冒頭の写真でお分かりのように、既に表面は平らになっていますので、いきなり色を塗っていきます。(因みに、使ったのは全てフグ印の新うるしです。)

まず黒を一面に塗り、その上に白で山立て。



山立てに使ったのはこちら。

     

和竿の世界ではヘチマを使うようですが、結局手に入らなかったので、代用としてこれを使ってみました。watariさんが書いておられた爪楊枝も用意しておいて併せて使ってみましたが、個人的にはどちらでも問題なく使えました。

少し手こずったのは塗料の粘度です。ある程度乾燥させてから使おうと思っていたのですが、少し底の丸い小皿を使ったために粘度が均一に上がらず、結局3時間半くらい放置したでしょうか。今度やる時はいっそ平らな板の上にでも薄く延ばして乾燥させた方が良いと思いました。これは次回の課題です。

山立てが乾いたら全面に黄色を塗り、その塗料が乾かないうちに全面に銀粉を振りかけます。(黄色を塗ったところの写真を撮り忘れたのですが、銀粉の下に薄っすらと黄色が見えるでしょうか?)

     

その後、赤と緑を適当に塗り分けます。



乾いたところで白を全体に薄く塗り(すみません、また写真を撮り忘れました)、最後に黒を少し厚めに塗ってこの通り。



塗装はここで終了です。

                    

さて、いよいよ研ぎ出し。

耐水ペーパーの600番を使い、水を掛けながら慎重に、慎重に・・・

下から突然模様が出てくるのは本当に面白いですね。けれど、どこまで削ればよいか、どこで止めればよいのか、イマイチよく分かりません。ペーパーの800番と1000番も使いながら、何となく「こんなもんかい!?」というところで終わりにしたのがこちら。

      

今回トライをやって一番良かったと思うのは、この「どこまで研ぎ出せばよいか」という点です。ご覧の通りこの肘当ては、平らな面(面積の広い面)とその横(サイド)の曲面があります。当たり前ですが平らな面はペーパーが「面」で当たるので、部分的に「ここをもう少し研ぎ出したい」という場合、ペーパーの裏側に指先を当ててピンポイントに削ろうとしても、結構難しいものがあります。(ご覧頂くと分かるように、面と面との境目、一番高いところが特に削れ過ぎているのも、ペーパーが当たりやすいからだと思います。)

反面、両サイドの曲面の方は、普通にペーパーを当てれば「点」で当たるので、何となくではありますが研ぎ出す模様のコントロールが利くような気がします(あくまでも個人的な感想です・・・)。

上の写真は少し曇ったようになっていますが、ガイドラップのエポキシと同様、上からクリア系で塗ってやると光沢が出てきます。これは新うるしの「クリア」という色を使ったのですが、どちらかと言うと薄い飴色だったので、全体的に少し赤っぽい色になっています。(クリックすると大きくなります。)

               

表面にまだ少しプツプツがありますので、後で同じフグ印の「コータク」というコンパウンドを使って磨いてみようと思っています。

                    

さて、今回の竹竿でこの研ぎ出しを試してみたいと思っているのは、いずれも平面ではなく曲面です。トライの結果は、平面に関してはイマイチの出来ですが、サイドの曲面は(個人的には、かつ偶然ではありますが)何となく好みの塩梅になっています。

上の手順のところで書いた以外の課題としては、

 山立ての密度をもう少し細かくすること、

 塗装の間の乾燥時間をしっかり取ること(試しに1色だけ、塗って3日くらいで次の色を塗り重ねたのですが、案の定研ぎ出しの際にその1色が少し流れました )、そして

 仕上げのクリアは新うるしではなくロッドビルド用のエポキシを使うこと(塗面の強度から言ってもその方が良い気がします)

これらの点を次回、本番の竹竿では注意したいと思います

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4 コメント

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おお!! (watari)
2011-05-07 09:02:55
とうとう変わり塗りチャレンジスタートですね。
なかなか良い色合い。
皆さん、それぞれ個性があります(笑)
竿に関しても楽しみです。

研ぎ出しは楽しいのですけど、そのやめるタイミングって非常に難しいですよね。やりすぎれば下地が見えるし(笑)なるべく削り過ぎないように我慢しています。

そうそう、3の仕上げのクリアの件ですが、カシューの上塗りでカシュー以外のモノを使うと下地の乾燥が進まず良くないという情報をネットで見たことがあるのです。
確かにカシュー系のクリアは飴色っぽいのですが、私は安全をみてコレを使うこととしています。

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watariさん (魚花)
2011-05-07 09:32:20
watariさんの先行研究のおかげで、随分助かりました。
ありがとうございました。

ご覧の通り部分的にちょっと削り過ぎたのですが、
おかげで何となくその手加減が分かってきたような気がします。

飴色のクリアは、時間が経って見慣れてくると、
これはこれで良いかな、という気がしてきました。

ただ、前2作の竹竿もそうですが、塗膜が薄いので、
胴の部分など船べりに当たるとすぐに剥げてしまいます。
厚塗りをするか、それとも十分に乾燥させた上で
エポキシを塗るか、どちらかだと思っています。
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うるし (エス)
2011-05-08 19:03:24
魚花さんも始めたのですね!!

綺麗な色合いですね♪
黄色とか緑もあるのですね知らなかったです(汗)

私は最後の仕上げのクリアはうるしの本透明を薄めて、3~5回ぐらい塗って仕上げています。
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エスさん (魚花)
2011-05-08 20:55:01
なかなか狙ったように色や模様が出ないのですが、
ぶっつけ本番で竹竿に塗らなくて良かったです

新うるしの「クリア」は、クリアというよりも
薄い「透(すき)」という感じです。

塗り重ねる塗料の同質性という意味では良いのかも知れませんが、
肘当て(=竿尻)に使うには塗膜がちょっと弱い気がするんですよね。

もう少し考えてみます・・・
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