"Il Giardino Armonico" という名前を知ったのは、恐らく新聞に載っていた吉田秀和の記事だったと思います。
今から10年以上も前のことだったでしょうか。当時も既に古楽器によるバロック音楽の演奏は色々と録音が出ていましたが、この楽団のブランデンブルク協奏曲を聴いて、良く言えば斬新な、悪く言えば過激なその演奏スタイルに、度肝を抜かれた覚えがあります。
しかし、それが明らかにひとつの方向性を示していたことは事実で、以前ご紹介したカフェ・ツィマーマンやイ・バロッキスティの演奏も、極めて個人的かつ多少乱暴な言い方をさせて頂けば、このイル・ジャルディーノ・アルモニコの延長上にあると言えなくもないと思っています。
さて今回入手したのはそのCD11枚がセットになったBOX版。バッハは勿論、ヴィヴァルディやアルビノーニ、パッヘルベルの他、それよりも少し前の作曲家の音楽が、文字通りてんこ盛り。
特にヴィヴァルディは、この楽団を一躍有名にした「四季」のみならず、ヴァイオリンやリュート、テオルボ、マンドリン等を交えた協奏曲が合計4枚に収められています。他に、いわゆるバロック名曲集(パッヘルベルの「カノン」やマルチェッロの「オーボエ協奏曲」も入っています)や「クリスマス協奏曲集」などもあって、このBOXひとつで古楽器によるバロック音楽の演奏が俯瞰出来るようになっています。
共通するのはその演奏の瑞々しさ。全体的にテンポも早めで、溢れんばかりのエネルギー。しかし雑なところは少しもありませんし、緩除楽章のしっとりと落ち着いた演奏を聴いていると、メリハリの効いた演奏とはこういうものかと感心します。
バロックは聴いてみたいけれどどこから入ったら良いか分からなくて・・・という方には、ちょっとオススメです
イル・ジャルディーノ・アルモニコBOX(11CD)
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