気温は低いが風もおさまり、心なしか少し日も長くなった金曜日の夜。人影まばらな上野公園を抜けて、東京都美術館に行く。
何年か前にハマスホイの「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」が国立西洋美術館の収蔵となり、常設でたびたび目にしていたが、今回はそのハマスホイ作品37点を含むデンマーク絵画の展示。
行ったことのない国のことを云々するのはおこがましいが、やはりその国固有の美感や意識の違いだろう、印象派と同時代と言っても印象派とは違うし、風景画もフランスやオランダとはまた違う。室内画というジャンルも面白いし、後ろ向きの人がこんなに出てくる美術展も珍しい。
(クレステン・クプゲ「海岸通りと入り江の風景、静かな夏の午後」1837年、デンマーク国立美術館蔵)
(ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」1898年、スウェーデン国立美術館蔵)
(ヴィルヘルム・ハマスホイ「背を向けた若い女性のいる室内」1903-04年、ラナス美術館蔵)
・・・と何だか呑気なコメントしかできないが、その何とも言いようのない静けさと安定感には、何故だか目を外せない不思議な吸引力がある。
東京での会期は3月26日まで。その後、山口県立美術館に巡回(4月7日~6月7日)。
ハマスホイとデンマーク絵画
2020年1月21日~3月26日
東京都美術館
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