先週の金曜日、職場の若いのを連れて晩メシを食うことになり、寮生活と残業続きで主食がコンビニのおにぎりという彼らに少しはマシなものを食わせてやりたくて、水天宮にあるお気に入りのイタリアンに連れて行きました。
若いというのは良いことで、その食いっぷりの良さに感嘆したところでもう少し飲もうということになり、久しぶりに銀座に行きました。どうせなら銀座らしいところに行こうとバーを何軒か回ったのですが、さすがに金曜日の夜、どこも空きがなく、3軒目にしてようやく席が確保出来ました。
実はそのバーは以前から名前は聞いていて、いつか一度行ってみたいと思っていたところでした。店に入ると7~8人座れるカウンターが飛び飛びに空いていて(私たちは3人だったので)お店の方がお客さんにお願いして、席を詰めて頂いたのです。
席が3つ用意され「どうぞ」と通された時、黙って座るのもどうかと思ったので、その隣で席を詰めてくれた先客に向かって、「詰めて頂いてありがとうございました」と声を掛けました。
すると、その先客は、恐らく50代くらいの男性と女性でしたが、こちらの顔をじっと見るだけで、言葉を発しません。ひと言も、何も言わず、勿論会釈する訳でもなく、ただじっと黙っています。
何だかなぁと思いましたが、連れも居ることですし、さっと正面を向いて座り、バーテンダーさんにオーダーを告げ、それとなく周りの会話に耳をやっていました。
その店は割と小さな店で、カウンターの他にテーブルが2卓。いずれも満席です。客層は50代から60代、割と高めです。ですが、聞こえてくるのは、会社の金で飲んでるんだから高いものを注文しないと損だとか、領収書には日付を入れるなとか、何とも情けない話ばかり。銀座のバーってこんなんだったでしょうか?
これでは、自分の息子とまでは言いませんが、仕事上の部下のような年齢の私の挨拶に、軽く返すことも出来ないお客が居ても不思議ではありません。こういうことは歳には関係なく、その人の、人間としての心の余裕がそのまま反映されると思うのですが、何ともはや、つまらない世の中になったものです。
バーに限らず、店は客が作り、客は店が作るものだと思います。お話をした限りでは、そのお店のバーテンダーさんはなかなかいい感じの方でしたが、哀しいかな、お客は選べないということなのでしょう。同時に、人のカネ、会社のカネで飲む酒は身に付かないということを、その時のお客はいみじくも体現していたという気がします。
そのお店は1杯飲んだだけで早々に退散しましたが、何とも嫌な気分になってしまったので、有楽町の駅まで歩く途中、もう1軒バーに入りました。
カウンターに座り、そっと差し出される熱々のおしぼり。温かなミントの香り。スコッチを優しくステアして、そっと出されるハイボール。会話を妨げるもののない静けさ。カウンターのこちらとあちら、絶妙な距離感・・・
間違いのない空間。最初からこっちに来れば良かったと激しく後悔しました。
これが久しぶりに銀座に行った顛末です。こんなことがあるから、行ってみたいと思いながら行かないバーのリストがいつまでも短くならないのでしょう。保守的と言われればそれまでですが、限られた時間とお金でお酒を楽しむには、間違いない店を選ぶことが一番賢明な気がします。
え?最後に行ったバーがどこかって?
そんな野暮なことは聞かないで下さい
若いというのは良いことで、その食いっぷりの良さに感嘆したところでもう少し飲もうということになり、久しぶりに銀座に行きました。どうせなら銀座らしいところに行こうとバーを何軒か回ったのですが、さすがに金曜日の夜、どこも空きがなく、3軒目にしてようやく席が確保出来ました。
実はそのバーは以前から名前は聞いていて、いつか一度行ってみたいと思っていたところでした。店に入ると7~8人座れるカウンターが飛び飛びに空いていて(私たちは3人だったので)お店の方がお客さんにお願いして、席を詰めて頂いたのです。
席が3つ用意され「どうぞ」と通された時、黙って座るのもどうかと思ったので、その隣で席を詰めてくれた先客に向かって、「詰めて頂いてありがとうございました」と声を掛けました。
すると、その先客は、恐らく50代くらいの男性と女性でしたが、こちらの顔をじっと見るだけで、言葉を発しません。ひと言も、何も言わず、勿論会釈する訳でもなく、ただじっと黙っています。
何だかなぁと思いましたが、連れも居ることですし、さっと正面を向いて座り、バーテンダーさんにオーダーを告げ、それとなく周りの会話に耳をやっていました。
その店は割と小さな店で、カウンターの他にテーブルが2卓。いずれも満席です。客層は50代から60代、割と高めです。ですが、聞こえてくるのは、会社の金で飲んでるんだから高いものを注文しないと損だとか、領収書には日付を入れるなとか、何とも情けない話ばかり。銀座のバーってこんなんだったでしょうか?
これでは、自分の息子とまでは言いませんが、仕事上の部下のような年齢の私の挨拶に、軽く返すことも出来ないお客が居ても不思議ではありません。こういうことは歳には関係なく、その人の、人間としての心の余裕がそのまま反映されると思うのですが、何ともはや、つまらない世の中になったものです。
バーに限らず、店は客が作り、客は店が作るものだと思います。お話をした限りでは、そのお店のバーテンダーさんはなかなかいい感じの方でしたが、哀しいかな、お客は選べないということなのでしょう。同時に、人のカネ、会社のカネで飲む酒は身に付かないということを、その時のお客はいみじくも体現していたという気がします。
そのお店は1杯飲んだだけで早々に退散しましたが、何とも嫌な気分になってしまったので、有楽町の駅まで歩く途中、もう1軒バーに入りました。
カウンターに座り、そっと差し出される熱々のおしぼり。温かなミントの香り。スコッチを優しくステアして、そっと出されるハイボール。会話を妨げるもののない静けさ。カウンターのこちらとあちら、絶妙な距離感・・・
間違いのない空間。最初からこっちに来れば良かったと激しく後悔しました。
これが久しぶりに銀座に行った顛末です。こんなことがあるから、行ってみたいと思いながら行かないバーのリストがいつまでも短くならないのでしょう。保守的と言われればそれまでですが、限られた時間とお金でお酒を楽しむには、間違いない店を選ぶことが一番賢明な気がします。
え?最後に行ったバーがどこかって?
そんな野暮なことは聞かないで下さい
私も最近、新規開拓でアタリのお店を見つけることが少なくなりました。
勢い、どうしても行きつけの店ばかりになってしまいます。
釣りで新しいことを試す方がよっぽど楽しいですね。