府中市美術館で開かれている「ターナーから印象派へ~光の中の自然」展に行ってきました。
イギリスのマンチェスター美術館やベリ美術館などのコレクションから、イギリスの風景画を中心に、19世紀のイギリス絵画がよく分かる展示になっています。但し、前半こそ風景画が中心ですが、後半はヴィクトリア朝の繁栄とともに次第に子供や人物が対象となり、そういった移り変わりもとても面白く観ることが出来ました。
印象に残った作品を5点。
まずはターナー。今回は油彩画1点、水彩画4点が来ていましたが、私がターナーらしいと思ったのはその水彩画。ターナーは学生の頃京都に来た展覧会で初めて接し、感激して確か3回くらい観に行ったと思いますが、久々にそのかっちりとした構図と透明感のある色彩に触れることが出来ました。
(ジョウゼフ・マラッド・ウィリアム・ターナー「エーレンブライトシュタイン」1832年)
2点目も同じく水彩画です。ハントという名前は初めて知りましたが、その繊細な描写力には驚きました。この他に静物画が2点ありましたが、いずれも小さな絵ながら圧倒的な緻密さで、思わず身を乗り出して覗きこんでしまいました。
(ウィリアム・ヘンリー・ハント「イワヒバリの巣」)
油彩では、ラファエル前派のミレイ。残念ながら一昨年Bunkamuraで開かれたミレイ展を観そこなってしまったので、今日はこの作品に会えて幸運でした。
(ジョン・エバレット・ミレイ「グレン・バーナム」1891年)
次の2人の画家も今日初めて知った名前です。金魚の泳ぐ池を覗きこむ女性。自然なしぐさと物腰。女性の優美さが際立っています。
(ジョン・ウィリアム・ゴッドワード「金魚の池」1899年)
今回最も印象的だった作品がこちら。黒い女性がぱっと目に入ると一瞬「これはマネか?」と思ってしまったのですが、人物の配置や表情が微妙な距離感でバランスしているのが面白く、不思議と長い時間観てしまう絵でした。
(ジョージ・クラウセン「春の朝:ハーヴァーストック・ヒル」1881年)
という訳で、今回初めて府中市美術館を訪れましたが、広々とした公園に囲まれた素敵な空間でした。また次に訪れる機会が楽しみです。
ターナーから印象派へ 光の中の自然
府中市美術館
2009年11月14日~2010年2月14日
ターナーの京都展3回でしたか。
自慢することになりますが、
確か10回前後、市美に行きました。
テイトの改修期だったように記憶
しております。
憧れのターナーに出会えて嬉しくて
嬉しくて
感激いたしました。
当時、D大に関係していた故、
フリーパスでしたので、
回数のみの自慢です。
文泉
こちらは貧乏学生でしたから、3回がやっとでした。
時は1986年。ちょうど本格的に美術館通いを始めたばかりでしたし、
大阪の万博公園でゴッホ展もあって、忘れられない年です。
しかし、同じ場所に3回も通ったのは、後にも先にも
この時のターナー展だけです。それほど衝撃的な体験でした。
今はもうすっかりスレッカラシになってしまって、
あの当時のような純粋な感動はなかなか味わえないのですが、
しかしまたいつどこで(どこかで)そんな感動に出会いたいと、
美術館通いを続けるのだと思います