バッハ・コレギウム・ジャパン、第119回定期演奏会。
初台駅の北口を駆け上がり「加賀」のかき揚げ蕎麦で腹ごしらえをしてからオペラシティに向かう。
今日の演目はフェーブス(アポロ)と牧神パンの歌合戦を描いた音楽劇。
パンフルートでお馴染み、葦笛の名手パンがフェーブスの竪琴に勝負を挑む。裁定したのはトモーロス山で、勝負はフェーブスの勝ち。パンに肩入れしたミダス王は、耳をロバの耳に変えられてしまう。(この秘密をミダス王の床屋がバラしたのが「王様の耳はロバの耳」という例の物語。)
まるで紅白歌合戦のようにソリストの衣装の色を分けたり、パンとミダスは森の代表なのでバックのヴァイオリンやコーラスのメンバーが妖精よろしく応援したり、ミダス役のソリストは勿論、最後は指揮の鈴木さんまで耳をかぶらされたり、分かりやすくて楽しくて文句なし。勿論、音楽と合唱は寸分の狂いもなく峻厳で、抜群の切れ味。
恐らく皆さんクラシックのコンサートというと「息を殺してじっとお行儀よく座っているのが窮屈で」「知ってる曲が演奏されないと退屈で」という印象があるだろうが、ここは全くの別世界。
ステージの上も客席も終始笑顔の絶えない、極上のエンターテインメントを満喫した夜。
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