Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

Avet SX のメンテ

2008年01月27日 | リール

2年ほど前に買ったAvetのSXというリールですが、全くメンテせずに使いっぱなし、放ったらかしにしていたところ、ドラグが効いてスプールが逆転する時に少し引っ掛かるようになったので、分解してメンテすることにしました。

リールに付いていた分解図(パーツリスト)を見ると、思ったより部品点数は少なく、これなら私にも扱えそうです。

まずハンドルを外し、ドラグノブを外しました。



ドライブシャフトの両側にベアリングが入っていますが(パーツリストの#24)、青いのはゴムシールでしょうか、話には聞いたことがありましたが、現物を目にするのは初めてです。回転よりも防塵性を採ったということでしょうか。

裏側から見た写真です。



右下がドライブシャフト用、左上がブレーキ(ドラグ)ディスク用(パーツリストの#20)で、いずれもゴムシールになっています。

続いてブレーキディスクを外すと、ドラグワッシャー(パーツリストでは、ブレーキ・パッド#12となっています)が見えてきます。



ご覧の通り、素材はカーボン(グラファイト)です。それほどドラグを出すような釣りはしていないのですが、表面が結構擦れたようになっています。結論から言えば、ここに接するディスクの表面が少し具合が悪いことになっていました。

どうなっていたかと言うと、



まるで海苔がこびりついたように真っ黒で、表面がカサカサに乾いています。他の部分を見ても海水が入り込んだようには見えないので、グリスの出来が悪かったのか何なのか、ちょっと判断がつきません。色々と考えたのですが、ここは一旦ディスクの表面にサファリに付いていたグリスを薄く塗って様子を見ることにしました。

さて、スプールを抜いて見ると、削り出しのユニットの裏(特に下側の部分に)に塩が数粒出ていましたが、思ったほどひどくはなく、案外と密閉性が高いのかなという感じです。



スプールの両側にもベアリングが入っていますが、細かいワッシャーが多くて外すと難儀しそうだったので、シャフトに通したままで覗くだけにしました。



これはハンドルと反対側の大きい方のベアリング(パーツリストの#7)ですが、サイズと品番が分からないのでシールなのかシールドなのかは判然しません。ただ、よく見ると何となく見覚えのある文字が・・・



拡大してみると、



確かに「NMB」の文字が見えます。こんなところで日本のミニチュア・ベアリングの雄、ミネベアに出くわすとは、何とも誇らしい気持ちになりますね。

さて、手順を遡って再び組み上げたところ、ドラグの滑りは元通りスムースになり、かと言って滑り過ぎる感じもしないので、これで当面は大丈夫そうです。念のためAvetの本社にディスクの写真を送って、こうなった原因と対処について問い合わせてみたいと思っています。

このSXというリールですが、確認した限りでは要所要所のベアリングは全てシールもしくはシールドタイプでしたし、さすがにソルトでの使用を考えた作りになっています。船上での潮かぶりに留意していたとは言え、2年間ノーメンテで塩噛みも殆どありませんでしたから、このクラス(お値段159ドル)のリールとしてはまあまあ良く出来ているのではないかと思います。これからも長く付き合えるよう、たまにはメンテしてあげようと心に決めたのでした。


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