平日の休日。久しぶりにフィッツジェラルドの The Great Gatsby(1925年)を読み返す。
たまたまAmazonで見つけた "Wordsworth Collector's Editions" というシリーズのハードカバーなのだが、値段は1,000円ほどと普通のペーパーバックと変わらず、けれど装丁はシンプルながらもきっちり作ってあって、かつ見た目以上に軽いので、手に持って読むにはちょうど良い。
せっかくなのでじっくり読もうとお鍋の番をしながら読み始めたのだが、出だしから細かいところにばかり目が行く。それは要するに映画(古い方)の見過ぎなのだが、例えばニックが初めてブキャナン邸を訪れたのはボートではなく車だったとか、ニックとトムがマートルとニューヨークで落ち合うのは小説では電車とタクシーだったとか。
ようやくマートルとトムの痴話喧嘩(トムに殴られたマートルが鼻血を出す場面)までやってきたのだが、こうしてじっくり読んでいると、それは恐らく使われている単語がよく選ばれているからだろう、風景や心象は勿論、煌びやかな繁栄の底にある虚無感や、そのなかで蠢く人々の何とも言えない気怠さのようなものが、手触りとして伝わってくる気がする。
先はまだ長いが、読み始めるたびにいつも、またすぐに読み終わってしまうんだよなぁと思うのも毎度のこと。
F. Scott Fitzgerald,
The Great Gatsby
(Wordsworth Collector's Editions)
おもしろく読めました。
40年前でしたが
楽しんでいました。
文泉拝
何度読み返したか分かりません。
私もかれこれ30年前になりますね。