世田谷の砧公園にある世田谷美術館に行って来ました。
この公園は、子供が小さい頃は何度か遊びに連れてきたことがありますが、今回はカミさんと2人。スイスのヴィンタートゥールから来ているコレクションで、出品されている90点が全て日本初公開とか。
展示はドラクロアから始まって、印象派、ポスト印象派を経て、ドイツやスイスの近代絵画、そして表現主義からキュビズム、抽象絵画まで、ヨーロッパ近代絵画の流れが一望出来るようになっています。
これだけ色々揃っていると、好みがはっきり分かれますね。私が特に印象に残った3点。
(ウジェーヌ・ブーダン「ラレ=ヴェルトの運河、ブリュッセル」1871年)
水辺の風景を描かせたら、やはりブーダンはいいですね。水面に映る風景や、どんより曇った空の質感。風景画の王道という感じがします。
(オディロン・ルドン「アルザス または読書する修道僧」1914年頃)
今回楽しみにしていた絵の1つです。タイトルにあるアルザス(地方)がフランスとドイツの領土争いの対象だったとか、第一次世界大戦直前の不穏な世相を反映しているとか、解説は色々ありましたが、私は純粋にその色彩表現に目を奪われました。何かを表現しているというよりは、その色彩そのものが語っている感じ。いくら観ていても全く飽きません。
(フェリックス・ヴァロットン「日没、オレンジ色の空」1910年)
スイスの美術館ということで、スイスにゆかりのある画家の作品が充実していました。特にヴァロットンは、これまではブリヂストン美術館にある木版画の印象が強かったのですが、先日六本木のオルセー展に続いて今回も油彩をたくさん観れたので、一気に印象が具体的になりました。
その他、ピカソやブラック、レジェの作品や、アンリ・ルソー、それからジャコメッティの針金人間(失礼)など、見どころがたくさんあります。世田谷での展示は10月11日まで。その後の巡回は下記の通りです。
ザ・コレクション・ヴィンタートゥール
2010年8月7日~10月11日
世田谷美術館
<巡回>
2010年10月21日~12月26日
兵庫県立美術館
2011年1月21日~3月27日
長崎県美術館
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