バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)第103回定期演奏会@オペラシティ(初台)。
プログラムの2曲はいずれも「大学教授 祝賀カンタータ」と呼ばれ、それぞれ特定の大学の先生を祝うために作曲されたもの。個人名が出てくるのも面白いが、もっと面白いのはその構成。
Drama per Musica(音楽劇)と呼ばれるその楽曲、例えばプログラム後半の「鎮まりしアイオロス」は、風の神アイオロスが解き放った風を、西風の神ゼピュロス、果実の女神ポモナ、最後には知恵の女神パラス・アテネまで現れて、ミュラー博士のお祝いをしたいから風を引っ込めてと懇願するお話。これを聞き入れたアイオロスが風を回収し、めでたしめでたし、ミュラー博士万歳!!で曲が終わる。(プログラムの表紙にあるのは、ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」の画面左に描かれているゼピュロス。)
声楽と器楽の境が極めて小さい、渾然一体となったその演奏はいつもながらエネルギーに溢れ、カーテンコールの嵐。ステージから客先までが一体となった、まさに会心の演奏会。
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