釣行記らしくない書き出しですみません。ですが、今回の遠征で一番考えたことは、標題の「勇気とは・・・」ということでした。
遠征先の詳細は敢えて書きませんが、ともかく、釣り場は夜の磯でした。私は初めてでしたが、同行者はその場で何度も釣りをしたことのあるエキスパート。装備も万全で、ライフジャケットに磯靴、尻当てに手袋、ライトにロープ、ともかく起こり得るトラブルを想定し、相応の準備をして臨みました。
それでも、私は結局その釣り場に一度しか立ちませんでした。
これは、台風の影響で風の強い日が続いた為でもあります。ですが、たとえ風が強くなくても、私はその釣り場には二度と行かなかったと思います。
色々な考え方があると思います。釣りというのは本来自然が相手で(最近、自然が相手ではない釣りにも手を出していますが)、そこに危険が伴うのは当たり前のこと。磯ではなく船の上でも、砂浜や堤防であっても、常に危険と隣り合わせ。だからこそそれに備えて臨む訳で、今回もそれなりの準備はして行きました。
ところが、いざ現場に立ってみると、明るいのは自分のライトの照る範囲だけ、足場は悪い磯の上。足の置き場が数cmずれただけで、足を滑らせて落水の危険があります。初めのうちは慣れれば何とかなるかと思っていましたが、時間が経っても最初に感じた恐怖感は無くならず、膝の震えが止まりません。
結局、夜の磯の上で震えながら考えたことは、不安や恐怖を克服しようとする勇気と、危険を回避する勇気と、この場合どちらが重要か、ということでした。私の出した結論は後者です。自分で安全性に確信が持てない以上、危険を回避するべきだと思ったのです。もっと単純に、ここまでして大物を釣りたいとは思わない、という気持ちになったことも事実です。釣りは所詮趣味の世界、身の危険を感じてまでやるものではない、と思うに至りました。
これが私の今回の遠征の顛末です。
* * *
硬い話はこれくらいにしましょう。一度だけ立った磯の上。イソンボは不発でしたが、合間にやった底物の釣りでは、何尾か地元の魚に会うことが出来ました。写真が撮れたのはこの1尾だけですが、暗闇だったためピントが少し甘くなっています。
地元の呼び名でミミジャー、和名ではヒメフエフキです。大きさは30cm程でしたが、磯の魚の引きの強さは経験してみないと分からないものですね。身は淡白で美味しいらしいですが、地元では高級魚らしく早々に誰かに貰われていったので、結局口にすることが出来ませんでした。
都合5日間の滞在中、磯に立ったのは初日の夜でしたが、上述の通り、すっかり釣る気をなくしてしまったので、それ以降はずっと観光モード。カメラ片手に色々見て廻りました。
ともかく、海の色が違います。この海の青さを見れただけでも行った甲斐があったというものです。また、青にも色々な青があって、それが日の差し方や時間帯によって変化して見えるというのも初めての経験でした。
夕暮れ時が綺麗に見れたのもこの日だけでした。
そう言えばこの日は夕暮れを見ようと港に来たのですが、メッキでも狙ってみようと思って竿を持って来ていました。ですが、やはりメッキとは言え、戦略も何もなくルアーを投げてもなかなか釣れないものですね。一度だけジグにアタックがありましたが、惜しくも乗りませんでした。代わりに掛かったのは枝サンゴ。
この時は何故か写真を撮る気になって1枚カメラに収めましたが、今にして思えば、砂浜で目にするのは波に洗われて角が取れたものばかりでしたから、この時ジグに引っ掛かったのを持って帰れば良い記念になったのになぁと思います。
さて、長くなりましたが、これで今回の遠征のお話は終わりです。
* * *
最後に、私が好きな作家、福永武彦が昔書いた一節をご紹介しましょう。福永武彦という人は、若い時に結核を患ってサナトリウム生活を経験した人ですが、自分の経験を小説や随筆に書こうとしないことに触れて、こんな風に言っています。私の拙いブログで福永武彦の顰に倣うのもおこがましいですが、どうかお許し下さい。
『 人には言えることと言えないことがあり、
言えないことは無意識の底に沈んで徐々にその人間を、
その人間の性質とか世界観とか行動力とかを、
つくり変えて行くような気がする。 』
今回の遠征についてブログに書けることはこれだけですが、それ以上に得るものは大きかったような気がします。こういう経験は、経験してみないと分からないものですし、それにチャレンジ出来たことはとても有意義だったと思います。また少し時間を置いて思うこともあるでしょう。それをブログに書くかどうかは分かりませんが、いずれにせよ大切な経験として大事にしていきたいと思っています。
遠征先の詳細は敢えて書きませんが、ともかく、釣り場は夜の磯でした。私は初めてでしたが、同行者はその場で何度も釣りをしたことのあるエキスパート。装備も万全で、ライフジャケットに磯靴、尻当てに手袋、ライトにロープ、ともかく起こり得るトラブルを想定し、相応の準備をして臨みました。
それでも、私は結局その釣り場に一度しか立ちませんでした。
これは、台風の影響で風の強い日が続いた為でもあります。ですが、たとえ風が強くなくても、私はその釣り場には二度と行かなかったと思います。
色々な考え方があると思います。釣りというのは本来自然が相手で(最近、自然が相手ではない釣りにも手を出していますが)、そこに危険が伴うのは当たり前のこと。磯ではなく船の上でも、砂浜や堤防であっても、常に危険と隣り合わせ。だからこそそれに備えて臨む訳で、今回もそれなりの準備はして行きました。
ところが、いざ現場に立ってみると、明るいのは自分のライトの照る範囲だけ、足場は悪い磯の上。足の置き場が数cmずれただけで、足を滑らせて落水の危険があります。初めのうちは慣れれば何とかなるかと思っていましたが、時間が経っても最初に感じた恐怖感は無くならず、膝の震えが止まりません。
結局、夜の磯の上で震えながら考えたことは、不安や恐怖を克服しようとする勇気と、危険を回避する勇気と、この場合どちらが重要か、ということでした。私の出した結論は後者です。自分で安全性に確信が持てない以上、危険を回避するべきだと思ったのです。もっと単純に、ここまでして大物を釣りたいとは思わない、という気持ちになったことも事実です。釣りは所詮趣味の世界、身の危険を感じてまでやるものではない、と思うに至りました。
これが私の今回の遠征の顛末です。
* * *
硬い話はこれくらいにしましょう。一度だけ立った磯の上。イソンボは不発でしたが、合間にやった底物の釣りでは、何尾か地元の魚に会うことが出来ました。写真が撮れたのはこの1尾だけですが、暗闇だったためピントが少し甘くなっています。
地元の呼び名でミミジャー、和名ではヒメフエフキです。大きさは30cm程でしたが、磯の魚の引きの強さは経験してみないと分からないものですね。身は淡白で美味しいらしいですが、地元では高級魚らしく早々に誰かに貰われていったので、結局口にすることが出来ませんでした。
都合5日間の滞在中、磯に立ったのは初日の夜でしたが、上述の通り、すっかり釣る気をなくしてしまったので、それ以降はずっと観光モード。カメラ片手に色々見て廻りました。
ともかく、海の色が違います。この海の青さを見れただけでも行った甲斐があったというものです。また、青にも色々な青があって、それが日の差し方や時間帯によって変化して見えるというのも初めての経験でした。
夕暮れ時が綺麗に見れたのもこの日だけでした。
そう言えばこの日は夕暮れを見ようと港に来たのですが、メッキでも狙ってみようと思って竿を持って来ていました。ですが、やはりメッキとは言え、戦略も何もなくルアーを投げてもなかなか釣れないものですね。一度だけジグにアタックがありましたが、惜しくも乗りませんでした。代わりに掛かったのは枝サンゴ。
この時は何故か写真を撮る気になって1枚カメラに収めましたが、今にして思えば、砂浜で目にするのは波に洗われて角が取れたものばかりでしたから、この時ジグに引っ掛かったのを持って帰れば良い記念になったのになぁと思います。
さて、長くなりましたが、これで今回の遠征のお話は終わりです。
* * *
最後に、私が好きな作家、福永武彦が昔書いた一節をご紹介しましょう。福永武彦という人は、若い時に結核を患ってサナトリウム生活を経験した人ですが、自分の経験を小説や随筆に書こうとしないことに触れて、こんな風に言っています。私の拙いブログで福永武彦の顰に倣うのもおこがましいですが、どうかお許し下さい。
『 人には言えることと言えないことがあり、
言えないことは無意識の底に沈んで徐々にその人間を、
その人間の性質とか世界観とか行動力とかを、
つくり変えて行くような気がする。 』
今回の遠征についてブログに書けることはこれだけですが、それ以上に得るものは大きかったような気がします。こういう経験は、経験してみないと分からないものですし、それにチャレンジ出来たことはとても有意義だったと思います。また少し時間を置いて思うこともあるでしょう。それをブログに書くかどうかは分かりませんが、いずれにせよ大切な経験として大事にしていきたいと思っています。
珊瑚礁の岩場って本土の磯よりも「凶器」に近い感覚、尖っていたりして危ないですからね。足場も結構高いでしょうし。
私も西表島のそんな場所で竿を出したことがあります。その時でかい魚?がヒットしたのですが、PE8号を一瞬にして飛ばされました。
今思うと良かったのか、それとも悪かったのかな?といった感じです。
命あっての魚釣りだから、死んだらどうにもならないから、「撤退する勇気」も必要ですよね。撤退作戦って難しいのは確かなのですが・・・
離島メッキも結構難しいですよ!当たる場所に行けば幸せになれます、と、今年は丸ボーズをくらったGamulchiでした(笑)
全てお察しの通りです。イソンボが掛かっても、
獲る自信は正直湧いてきませんでした。何事も
経験してみなければ分からないものですね。
メッキは、海の透明度も高く、サイトの釣りでしたが、
リーフの境目から飛び出してきてジグにアタックする姿は、
なかなか興奮ものでした。
釣りの面白さは魚のサイズではないと思いましたね。
湾奥のシーバスを釣っていたころ、釣友から「最近あそこは絶好調」という情報を得たのですが、その場所は立入禁止の危険な場所ということで行くのをやめました。
趣味の釣りでケガをしたくないですし、それに警察のお世話になって笑って許してもらうほど若くもありませんでしたので。
私は釣りは下手ですし、大物も釣ったことないですが、釣りを楽しむということは大事にしたいと考えてます。普通に自然になにげなく釣りを楽しんでいけたらな~と思っています(笑)
今回は色々と考えさせられました。
新しいことにチャレンジする勇気も大事ですが、
危険を冒してまでやるものではないですね。
所詮は趣味の世界、それを楽しむために命を張るとは、
人はともかく、私には出来ません。臆病と言われても、
それはそれ、危険を避ける勇気の方が大事だと思っています。
何かねー防波堤とか立ってても恐いの。
夜のテトラとかも恐いの。
んで集中できないから釣れる気もしないしw
お疲れさまでしたー
なるほど、そうでしたか・・・。
私は子供の頃から海に行っているので、
ちょっと感覚が麻痺しているのかもしれませんが、
今回はさすがに参りました。
やっぱし、恐いことは出来ないですよねぇ。