私は人並みにお酒が好きですが、たくさん飲める方ではありません。
もっと若かった頃は飲み方も雑でしたし、もともとすぐに酔っ払ってしまうので、何度となく恥ずかしい失敗も繰り返しました。ですが、加齢と共に飲み方も変わってきて、飲む相手も選べるようになってきましたし、それに伴ってお酒の違った楽しみ方が出来るようになってきました。それは、バーでお酒を楽しむことです。
学生時代にお世話になった先生が、サントリーの角瓶しか飲んだことがなかった私に「本物の『角』を教えてやる」と仰って連れて行ってくれたのが三条河原町の「六曜社」の地下だったか、木屋町の酒司「飛鳥」だったか、畏れ多くも判然としないのですが、ともかくそこで生まれて初めて飲んだモルトが、アイリッシュのブッシュミルズでした。
しかし、学生時代の私にとって、バーの荘厳な雰囲気はいかにも敷居が高く、例えば「飛鳥」に友人と3人で入り、当時モルトで一番安かったニッカのピュアモルトを1杯ずつ飲んで、出された明細に2,100と書いてあったのを「1人分ですか?」と聞き返してしまったり、騒ぎすぎてバーテンダーさんに睨まれたり、ともかくあまり良い思い出はありません。
本当の意味でバーで寛いで飲めるようになったのは、東京に来てしばらく経ってから、30歳を過ぎてからでしょうか。ちょうどシングルモルトが流行り始めた頃で、一時期はそれこそ毎週のようにバー巡りをしていました。しかし、そんなところで時折目にする、モルトを語る妙ちくりんな頭でっかちに嫌気が差し、モルトで売っているバーには行かないようになりました。
それにかわって行くようになったのが、所謂オーセンティックなバーでした。お酒のことをよく知っていてもそれを驕らず、話し掛けられたくない時は絶対に話し掛けない、バーテンダーさんのそんな絶妙な距離感に、すっかり当てられてしまいました。幸い東京というところは何でも集まっているもので、未だに行ってみたいバーのリストが短くなりません。
そんな私が初めて行くバーで決まってオーダーするのが、冒頭の写真のジン・リッキーです。ジン、ライムとソーダだけという、シンプルの権化みたいなカクテルですが、これが作り手によって全然味が違います。これを飲むと、恐らくここのジン・トニックは旨いだろうなとか、これだけライムにこだわっているのならミントやフルーツ系もいいだろうなとか、次々と連想が働くのです。
という訳で今晩もお気に入りのバーに行ってきた訳ですが、たまたまそういうタイミングだったのでしょう、バーテンダーさんが次々と繰り出すお酒とおつまみに、すっかり魅了されてしまいました。暗かったので写真が撮れていないのですが、どんな感じだったかと言うと・・・
ジンリッキー+自家製の糠漬け
ベリーニ+桃のコンポート
天然の湧き水にブランデーをフロート+目黒OGGIの板チョコ
アイスワインにラガヴーリンをフロート+ラガヴーリン風味の生チョコ
コーヒーリキュール+天然の湧き水=コーヒー豆の丸齧り風味
想像力というのは無限なのだなぁと改めて感心した次第です。同時に、お酒を、バーを楽しむことに敷居などはないと、今なら思います。いつになるか分かりませんがまた京都に行く機会があれば、「飛鳥」も、それから学生時代は決して足を踏み入れることが出来なかった「サンボア」も、きっと楽しめるのではないかなと思います。そして、1杯目に注文するのは勿論、ジン・リッキーと行きたいものです。
悪く思わないで下さい(笑)。
バーなんて数える程しか言った事が無い私なんぞ、
バーテンダーさんに睨まれるぐらいの経験値かな…。
失敗して、先輩に教えてもらって、学習して、後進に受け継いで…って、
酒も仕事も釣りも、みんな同じですねぇ。
ジン・リッキーか。
ぃよーっし、覚えたじょ(笑)。
釣りもお酒も、仕事も何も、歳とともにスタイルが変わっていきますね。
無理をして違うことをやろうとしても、何度か繰り返すうちに
あるべきところに収斂していくような気がします。
こうしてまたジン・リッキー好きが一人増えたゾと(笑)
こちらは家の方がようやく少し落ち着いてきて、
これからようやく第2段落という感じです。