ディケンズ(Charles Dickens, 1812 - 1870)の Great Expectations (邦題 『大いなる遺産』) 読了。
大学4年の時、授業で一番最後に取り上げられたものの時間切れで途中までしか読んでいなかった小説。
ディケンズ自身が中流階級の出身で幼少の頃から家を出て働かざるを得なかったこともあり、いわゆる一般庶民(彼の言葉を借りれば "common" people)の生活感覚や人物の描写はお手の物。
笑いあり涙あり、けれど底辺に静かに流れる人生の irony と pathos。憧れのエステラが他の男と結婚することになり「私のことなんか1週間もすれば忘れるわ」と言ったことに対して、主人公のピップは「そんなバカな!」と言ってこう続ける。
"You are part of my existence, part of myself. You have been in every line I have ever read, since I first came here, the rough common boy whose poor heart you wounded even then. You have been in every prospect I have ever seen since - on the river, on the sails of the ships, on the marches, in the clouds, in the light, in the darkness, in the wind, in the woods, in the sea, in the streets."
決して読みやすい英語とは言えないが、ラスト近くなればなるほどどんでん返しの連続で、最後は一気に読み終えた。この本の登場人物は恐らく全員、決して忘れることはない気がする。
Charles Dickens,
Great Expectations
(Penguin)
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