多摩の恵 ベルジャンウイット

福生市の石川酒造が造る季節限定の地ビール、今月は「ベルジャンウィット」。

ベルギーのホワイトビールの系統だそうで、黄金色ですが少し白く濁っています。小麦が原料で、飲み口はヴァイツェンに似ていますが、少し苦みがあります。ただ、コリアンダーとオレンジピールが入っているためでしょうか、爽やかな後味です。

実は私、コリアンダー（パクチー）が苦手で、タイ料理やベトナム料理を食べに行っても必ず除けるか、あるいはお店の人に「パクチー抜きで」とお願いしては変な顔をされるのが常です。ベルギースタイルのビールにはこうした香辛料を使ったビールが多いですが、好みの問題でしょう、私はこれまでどうも好きになれませんでした。

しかしこのベルジャンウィットは、コリアンダーやオレンジピールが舞台の奥で香る感じで、味はしっかりビールの甘みと苦みが前面に出ています。



それから、これは両国の「ポパイ」に行くたびにいつも思うことですが、料理やお菓子と同じように、ビールも「鮮度」が重要なのだろうということ。例えばベルギーでビン詰めされて、恐らく船便でしょう、赤道を１回、２回と越えて日本に運ばれてくるビールが、その輸送工程で影響を受けないというのは考えにくいです。

「ポパイ」で樽生を飲む時もそうですが、このベルジャンウィットも、栓を抜くと香りが先に立ち上ってきます。口に含むとまた改めて香りが鼻に抜けて、その何とも生っぽい、新鮮な香りがたまらないです。私が飲んだのは製造してから４日後ですが、地元にこういうビールを作っている会社があるのはとても幸せです。

季節限定の多摩の恵、この４月以降、ヴァイツェン、ヘレス、ブルーベリーエールと飲んできましたが、はっきり言ってハズレなし。また次回が楽しみです

石川酒造株式会社
東京都福生市熊川一番地