東京に住むようになって15年以上経ちますが、東京は東京で色々と美味しい物があるものの、それでもやはり生まれ育った地の懐かしい物は、いつまで経っても色褪せません。
が、往々にしてそういう物は東京では簡単に手に入らず、それが故にかえって懐かしさが募ります。
壬生(みぶ)菜の漬物も私にとってはそんな一品。なかでも京都の錦市場にある「打田」の壬生菜が、私にとってはベスト・オブ・ベスト。
その打田の壬生菜を、関西に旅行に行った娘が買ってきてくれました。
東京で「壬生菜」と言うとたいてい「水菜?」と聞き返されます。漬物屋さんの店頭でもそう言われることが続いて、そのうち新しい漬物屋さんを見つけてもお店の人には聞かず自分の目でざっと探すようになりました。
以前はデパ地下の漬物屋さん(関西からの出店)でも時折目にしていたのですが、最近全く見かけなくなりました。仕方なしに家では壬生菜『風味』の漬物を食べているワタシ・・・
娘に打田のことをいつ話したのか、自分では全く記憶がないのですが、京都を半日回った娘が錦市場に行った時に、「寺町から入ってずーっと奥の方に、何とかちゅう漬物屋があって・・・」と私が念仏のように唱えていたのを思い出したとか。嗚呼、アリガタヤ・・・
早速刻んで、ゴマをすって、醤油をひと差し。
この自然な苦み。至福の時。
学生時代、この壬生菜と白米だけの食事が何と贅沢だったことか。
打田の壬生菜を食べたのは恐らく20年ぶりくらいでしたが、一瞬で学生時代の下宿や京都の町並み、友だちの顔まで思い出しました。
それにしても、最近の漬物にはわざわざこんなことが書いてあるんですね。
まぁ、スーパーで魚の切り身を買ってきて、焼く前に洗う奥さんが居るらしいので、こういうことになるのでしょう。
何はともあれ、これからも「遠きにありて思ふもの」であることに変わりありません。
次回また会えることを楽しみにしつつ。
打田漬物(打田漬物商工業株式会社)
錦小路店
京都市中京区錦小路通柳馬場西入
箱根越えが出来ない理由のひとつが
漬物です。
錦や三条小橋の漬物屋さんの味
壬生菜や聖護院大根等が無い時には
山椒を2日に1度は食のお供になっています。
慣れとは恐ろしい?ことですネ
文泉
こうした漬物や出来たての和菓子が手軽に手に入ること。
食卓に漬物がないと寂しいので色々と買ってはみるのですが、
仰る通り、慣れとは恐ろしいもので、なかなか折り合いがつきません。
こちらの漬物や佃煮に慣れるには、もう少し掛かりそうです。