この作家のことを初めて知ったのは、一度だけやったことがある英語の通信教育で、会員向けの情報誌か何かを見ていた時だと思います。英語の学習用に、辞書も引かずにどんどん読めるミステリー特集みたいな記事があって、そこで紹介されていた作家の一人だったと思います。
それ以来、一時はこの人の本しか読まない時期もあったのですが、それは多分に、ページを捲ることに全くストレスを感じさせない展開の早さと、若干ワンパターンの嫌いがありながらも飽きさせないストーリーの設定が、当時の自分によく合っていたからだと思います。
という訳で、私にとってメアリ・ヒギンズ・クラークは、シドニー・シェルダンと共に、英語のスキルアップに大いに貢献してくれた恩人なのですが、さすがに10冊以上も読んで来るとちょっと食傷気味になったことも事実で、ここ数年は全く読んでいませんでした。しかし、気づくと大抵のペーパーバックはだいたい読めるようになっていたので、それからはその時の興味の赴くまま、色々と読んで来た次第です。
先日、モームの「月と六ペンス」を読んで、次は少し軽いものを読みたいなぁと、いつものオアゾの丸善をブラブラしていると、メアリ・ヒギンズ・クラークの新作、"Where Are You Now?" が目に留まりました。間違いなく面白いことは分かっているので、迷わず手に取ってレジヘ向かいます。
早速帰りの電車で読み始めてみると、章立ては短く、それぞれ語り手が変わりますので、初めのうちは何て登場人物が多いのだろうと思ってしまうのですが、読み進むうちに複雑に縺れた糸が解けるように全てが繋がって来て、最後は思ってもみなかった真犯人が明らかに。抜群のスピード感です。
辞書を引かなければならないような単語はほとんど出てきません。逆に、よく知っているgetやhaveを使って、口語ではこんな言い方をするのかと感心しきり。私は実はアメリカには一度も行ったことがないのですが、気分はもうすっかりNew Yorkerです。
因みに作者はこんなオバチャンです。何でももうお孫さんが何人かいらっしゃるとか。まさに The Queen of Suspense。
ペーパーバックはちょっと敷居が高くて・・・とお感じになる方でも、このオバチャンの本ならどんどんページを捲って読めると思います。初めてのペーパーバックに、絶対のオススメです
Mary Higgins Clark,
Where Are You Now?
(Pocket Books)
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