E. S. ガードナーの The Case of the Shoplifter's Shoe(1938年)読了(邦題『万引女の靴』)。
ペリー・メイスンが秘書のデラとデパートのカフェでお茶していると、裕福そうな老婦人が万引きをしている場面に出くわした。店員に見つかって証拠の品を突きつけられても泰然としているその老婦人に興味をひかれたメイスンは、心配そうに見ているその姪ヴァージニアとともに自分のテーブルに招く。
その日の午後、事務所に戻ったメイスンをヴァージニアが訪ねてくる。伯母のサラは弟ジョージと一緒に宝石加工の会社を経営しているのだが、窃盗癖のある伯母がお客から預かった宝石を盗んだのではないかと言う。
やがてサラが交通事故で意識不明の重体との連絡が入る。場所はサラとジョージにその宝石を預けた人物の家の近くで、メイスンがその家に向かうと、その家の主は銃で撃たれて死んでいた。倒れたサラの靴にはべっとりと血がつき、傍らの鞄からは拳銃が転がり出ていた。さらに、弟のジョージも事務所のなかで死体となって発見される。殺人の容疑をかけられたサラ、その弁護を引き受けたペリー・メイスン。果たして勝算は・・・?
久々のペリー・メイスン。展開の速さと派手なドタバタはお手のもの。重厚さに欠けると思う向きもあるかもしれないが、肩も凝らず、流れにどんどん身を任せれば良いので、これはこれで見事な pageturner であることは間違いない。
E. S. Gardner,
The Case of the Shoplifter's Shoe
(Ankerwycke)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます