ダシール・ハメットの The Glass Key(1931年)読了(邦題『ガラスの鍵』)。
賭博士のボーモンはある夜、通りで若い男が死んでいるのに出くわす。それは地元のヘンリー上院議員の息子、テイラーだった。
一方、ボーモンの親友マドヴィックは、表の顔は建設会社の社長だが実際はその街の顔役で、次の選挙ではヘンリー上院議員を推している。やがて、テイラー殺しの犯人はマドヴィックだという匿名の手紙が出回る。マドヴィックの苦境を知ったボーモンは、事件の真相を探るべく単身で渦中に飛び込んでいくのだが・・・
ハードボイルドの祖と言われるダシール・ハメット。余計な心理描写が一切ないその文体は、逆に行間を読ませ、映像を浮かび上がらせるシンプルの極致。彫琢にあふれた文学作品のようなミステリーも美しいが、ハードボイルドのこのスピード感は堪らない。
ハメットの長編全5作のうち、読んだのはこれが4作目。引き続きラストの5作目行きます。
Dashiell Hammett,
The Glass Key
(Kindle)
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