Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ダシール・ハメット/The Glass Key

2019年04月06日 | 

ダシール・ハメットの The Glass Key(1931年)読了(邦題『ガラスの鍵』)。

賭博士のボーモンはある夜、通りで若い男が死んでいるのに出くわす。それは地元のヘンリー上院議員の息子、テイラーだった。

一方、ボーモンの親友マドヴィックは、表の顔は建設会社の社長だが実際はその街の顔役で、次の選挙ではヘンリー上院議員を推している。やがて、テイラー殺しの犯人はマドヴィックだという匿名の手紙が出回る。マドヴィックの苦境を知ったボーモンは、事件の真相を探るべく単身で渦中に飛び込んでいくのだが・・・

ハードボイルドの祖と言われるダシール・ハメット。余計な心理描写が一切ないその文体は、逆に行間を読ませ、映像を浮かび上がらせるシンプルの極致。彫琢にあふれた文学作品のようなミステリーも美しいが、ハードボイルドのこのスピード感は堪らない。

ハメットの長編全5作のうち、読んだのはこれが4作目。引き続きラストの5作目行きます。

Dashiell Hammett,
The Glass Key
(Kindle)

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