紀尾井ホールが若手演奏家を招いて開かれる公開コンサート、「紀尾井ニュー・アーティスト・シリーズ」。
今回はサックス奏者の田中拓也さん。都芸(都立芸術高校)、藝大(東京藝術大学)を経て、現在は藝大修士課程の1年生。
若いです。イケメンです。しかし、そんなことはどうでも良い(どうでも良くはないか?)くらい、貫録たっぷりのステージを楽しませてくれました。
当日のプログラムはこちら。
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こういう言い方をするとサックスを好きな方からは顰蹙を買うかも知れませんが、私が個人的に一番素晴らしいと思ったのは、プログラム前半の最後に演奏された、ブラームスの変ホ長調のソナタ。
これは元々クラリネットのために作曲された2曲のソナタのうちの第2番で、後にブラームス自身の手でヴィオラ用にも編曲されていることはこの時にも書きました。
それくらい馴染みのある曲でしたが、この日の田中さんの演奏は、それがまるでアルトサックスのために作曲されたかのような錯覚を覚えるほど、よく歌い、よく泣き、よく笑う、素晴らしい演奏でした。
その経歴や選曲を見ても、これは恐らく師匠である平野公祟さんの薫陶の賜物だと思います。近々そのお二人を含むサクソフォン・カルテットのCDが近々発売されるとのこと。こちらも楽しみです。
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