いつも帰りに寄る本屋で「昨年売れたベスト○○」という平積みコーナーがあって、比較的楽に読めそうに見えたので買った1冊。ニコラス・スパークスの "The Notebook"、邦訳は『君に読む物語』です。
帰りの電車だけで1週間で読んでしまったのは、ストーリーが面白いからということだけでなく、単純に英語が平易だからでしょう。難しい単語や凝った表現は殆ど出てきません。文学というよりも小説、恋愛小説というよりもラブストーリー、そういう言い方の方がしっくり来るかも知れません。構成のしっかりしたロマンスを想像していると、肩透かしを食います。
取り扱っているテーマは重いですが、いかんせん文体と構成が軽く、個人的にはあまり好きになれませんでした。それでもこうしてブログに書いているのは、ペーパーバックに慣れていない人が読むには良い教材だと思うからです。捨ててしまいましたが、本に掛かっていた帯にはTOEIC 600点レベルと書いてあったような気がします。
この本を、こんなに簡単な構文で、こんなに簡単な単語でストーリーを語ることが出来るんだ、という目で見れば、中学生の頃から英作文の彫琢に明け暮れた自分たちが馬鹿らしくなります。何と言うか、先に読んだチャンドラーのように、読むのに馬力の要る本ではないですし、1冊だけでこの作者の著作を判断するのもどうかと思うので、もう1冊くらい読んでみても良いかなという気になっています。
それにしても、邦題の付け方はうまいですね。
Nicholas Sparks
The Notebook
(Warner Books)
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