Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ジョナサン・ラティマー/The Dead Don't Care

2020年05月30日 | 

ジョナサン・ラティマーの The Dead Don't Care(1938年)読了(邦題『サンダルウッドは死の香り』)。

ビル・クレインと同僚のオマリーがやって来たのはフロリダ。富豪の御曹司ペンが脅迫を受けているというのだが、そもそもその豪邸のなかも外も、見るからに怪しげで胡散臭い連中がウヨウヨいる。そしてついにペンの妹カミリアが誘拐され、莫大な身代金が要求される。カミリアの安否は?黒幕は一体・・・?

燦燦と照りつけるフロリダの太陽。みな常に汗をかき、常に何かお酒を飲んでいる。加えて、何かと出てくる甘くて重い香りの描写。そこら辺が全て綯い交ぜになって、何ともまぁ気怠い雰囲気。それでも、肝心なところでビル・クレインの観察眼と推理が冴え、終盤はラストの1頁まで手に汗握る展開が続く。このメリハリが面白いし、読んでいて楽しい。

もう1作、ビル・クレイン・シリーズの最終作、続きます。

Jonathan Latimer,
The Dead Don't Care
(Kindle)
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