ジョナサン・ラティマーの The Dead Don't Care(1938年)読了(邦題『サンダルウッドは死の香り』)。
ビル・クレインと同僚のオマリーがやって来たのはフロリダ。富豪の御曹司ペンが脅迫を受けているというのだが、そもそもその豪邸のなかも外も、見るからに怪しげで胡散臭い連中がウヨウヨいる。そしてついにペンの妹カミリアが誘拐され、莫大な身代金が要求される。カミリアの安否は?黒幕は一体・・・?
燦燦と照りつけるフロリダの太陽。みな常に汗をかき、常に何かお酒を飲んでいる。加えて、何かと出てくる甘くて重い香りの描写。そこら辺が全て綯い交ぜになって、何ともまぁ気怠い雰囲気。それでも、肝心なところでビル・クレインの観察眼と推理が冴え、終盤はラストの1頁まで手に汗握る展開が続く。このメリハリが面白いし、読んでいて楽しい。
もう1作、ビル・クレイン・シリーズの最終作、続きます。
Jonathan Latimer,
The Dead Don't Care
(Kindle)
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