新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開かれている「ベルギー近代絵画のあゆみ」という展覧会に行ってきました。
田舎暮らしゆえ土日にわざわざ都心に出かけていくのは骨が折れるので、平日の金曜日に夜8時まで開いている美術館というのは本当にありがたいです。この日も入場時間ぎりぎりの7時半に何とか滑り込むことが出来ました。
今回の展示は、ベルギー王立美術館のコレクション。ベルギーの近代絵画がフランスから受けた影響を、バルビゾン派のテオドール・ルソーやコロー、そして印象派の画家たちの作品を並べて説き起こすところは、なかなか丁寧でよく考えられた展示でした。
印象に残った作品を2点。いずれもベルギーの画家で、1枚目はクノップフ。
(フェルナン・クノップフ「ヴァン・デル・ヘクト嬢の肖像」1883年)
ベルギー象徴主義を代表する画家です。たまたま同じ時期にBunkamuraでもいくつか作品を見ることが出来ましたが、女性を優美さを表現する技術には舌を巻きました。個人的には、ルノワールの描く女性よりもクノップフの方がよっぽど好みに合っています。装飾的な背景も独特ですね。
ですが、この日最大の収穫はこの2枚目。
(アルベルト・バールツン「ゲントの夜」1903年)
バールツンという名前は今回初めて知りましたが、運河沿いの靄のかかった、少し湿り気のある空気をうまく表現しています。ベルギーはもともとフランドルと呼ばれた頃からブリューゲルやルーベンスを産んだ国。その重厚な伝統と、フランスから受けた影響がうまく結実して、こうした独自の風景画が生まれてきたのでしょう。
この他にも、今回初めて目にする画家の作品がたくさんあり、とても30分では見きれるものではありません。機会があればもう少し時間を取って再訪したいと思っています。
ベルギー近代絵画のあゆみ
損保ジャパン東郷青児美術館
2009年9月12日~11月29日
まさに新発見です。
ベルギーの絵画はフランドル派で終わり、
あとは他国の亜流と思っていました。
視野の狭さを再認識いたしました。
感謝、感激
魚花、万歳
すこしだけ、ヨイショが過ぎましたかネー
文泉
今回は残念ながら閉館時間に追われてバタバタと、
あまりゆっくりと見ることが出来なかったのですが、
クノップフとバールツンは発見でした。
この2枚だけをもう一度見に行きたいくらいです。
こういう発見があるから、いくつになっても
美術館めぐりはやめられませんね