札幌市内を運行する路線バスの一つに「じょうてつバス」というバスがあります。
札幌駅前ターミナルを拠点に、南区方面が主な運行ルートになっているので、西区民の私は、プライベートでは一度も乗ったことがありません。
(多分。仕事では、関係者の方のご自宅に伺うのに一度だけ乗ったことがある。(この日))
この「じょうてつ」というのは、かつては「定山渓鉄道」という、大正7年(1918年)10月17日、当時の国鉄白石駅から定山渓に至る、延長29.9kmの路線として開業した鉄道会社でした。
昭和44年(1969年)10月31日に廃業し、現在は定山渓方面へ向けてバスが運行されていますが、現在でも、当時の痕跡が市内に幾つか残っています。
札幌と室蘭を結ぶ一般国道36号を室蘭方面へ向かい、豊平川に架かる豊平橋を過ぎて少し進んだところ。
写真のマンションは、かつて定山渓鉄道の「豊平駅」があった場所で、当時の駅舎は平成17年(2005年)まで残されており、私も、大学がこの近くだったので、ここにも何度も来ていました。
写真を撮っておかなかったことが何とも心残りです。
それもさることながら、道路の真ん中に緑地帯がありますね。
これがちょっと気になります。
国道を挟んで向かい側から。
見ると、写真の先の方は道路が一本になっているのに、緑地帯を挟むように二本に分かれていますね。
何かありそうだなあ・・・。
と、そこにあったのは、このような表示板。
表示板のとおり、この場所は、定山渓鉄道と札幌市電が直結する場所だったのです。
当時の市電は、現在の「すすきの」停留所から、36号を豊平方面に向かい、「豊平8丁目」という、この場所にあった停留所まで運行されていました。
ということは、この緑地帯と、それを挟んで二本に分かれる道は、やはり「豊平駅」と直結していた停留所と路線の痕跡ということなのかな・・・。
因みに、古い資料を見ると、この「豊平8丁目停留所」は、当時36号に架かっていた歩道橋と直結していたそうですが、その歩道橋も、残念ながら現存はしていません。
その「豊平駅」と「豊平8丁目停留所」の交わる場所から南西方向へ。
ショッピングセンターがあります。
このショッピングセンターのある場所が、初代の定山渓鉄道豊平駅のあった場所なのでした。
この「東光ストア」というショッピングセンター、合併して現在の名前になる前の「東急ストア」の時代は、現在地の向かいにあり、小さいながらも、書店やCD店もテナントとして入っていたので、私も大学時代、講義の合間や講義からの帰りに何度も立ち寄ったものでした。
現在の「東光ストア」の場所には、当時ホームセンターが建っていて、そこも何度か利用していて、この辺りは土地勘のある場所なので、初代豊平駅の跡地という、札幌の歴史に大きく刻まれる場所であったと知って、正直驚きました。
本当、かつての豊平駅舎が現存していた頃に写真を撮っていなかったことが、心残りでなりません。
(二つの駅と停留所の位置関係はこちら。)