今週11、12日に行われるALSOK杯王将戦七番勝負第4局で、渡辺明王将(名人、棋王)に勝利すれば、王将奪取に成功し、史上4人目の五冠を最年少で達成する藤井竜王ですが、順位戦B級1組11回戦で千田翔太七段、朝日杯本戦2回戦で永瀬拓矢王座と相次いで敗れましたが、タイトル戦では無類の強さを発揮。詰めまで読み切る、熟考する将棋には無敵です。
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1月9、10日に第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局で渡辺明王将と対戦。相掛かりから際どい局面が続き、終盤の入り口で双方秒読みの競り合いとなる。藤井が苦しい局面もあったが、粘り強い指し回しで崩れずに訪れたチャンスをとらえて制勝。頂上決戦にふさわしい開幕局を白星で飾った。 1月13日に第80期順位戦B級1組11回戦で千田翔太七段と対戦。相掛かりから長考の応酬となり、受け身の展開に。押され気味の中勝負手を連発して際どい形勢となるが、逃げ切られての敗戦となった。今期順位戦は2敗目ながら依然首位の状況は続く。2月3日には12回戦で阿久津主税八段(2勝0敗)と対戦。 1月16日に第15回朝日杯将棋オープン戦本戦1回戦で船江恒平六段と対戦。後手の船江の誘導で横歩取りへ。ペースをつかまれたかに見えたが、切り合いでバランスを保ち、いつの間にかリードを奪う。良くなってからは手堅い指し手を重ねて制勝した。 同日、朝日杯本戦2回戦で永瀬拓矢王座と対戦。後手の藤井は珍しく雁木を採用し、永瀬が右四間で攻める。難解な終盤戦に突入したが、永瀬の自陣角が威力を発揮。居玉の藤井が苦しくなった。リードしてからの永瀬は激辛な指し回しで勝負手を与えず、そのまま押し切った。藤井は5回目の参加にして初めてベスト4へ進めず。 1月22、23日に王将戦第2局で渡辺王将と対戦。角換わり早繰り銀から互いに自陣角を打ち合う展開となるが、初日の時点で藤井がペースをつかむ。2日目に入っても安定した指し回しで徐々に差を広げて完勝。七番勝負を2勝0敗とした。 1月29、30日に王将戦第3局で渡辺王将と対戦。相掛かりからじりじりとした戦いになり、終盤まで形勢が微妙に揺れ動く難解な戦いが続いたが、最後に抜け出したのは藤井。長手数の詰みを読み切り、落ち着いて詰まし上げた。第4局は2月11、12日に行われる。ここまで3連勝の藤井は勝てば王将奪取、史上最年少五冠となる。 第30期銀河戦本戦はGブロック最終戦に登場する。手前には木村一基九段、久保利明九段らが控えており、勝ち上がってきた棋士と対戦し、勝てば決勝トーナメント進出だ。