ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の大谷翔平投手(28)=米大リーグ・エンゼルス=は、翌20日(同21日)にメキシコと準決勝を戦うローンデポパークで公式練習に参加。投手の調整のみ行い、21日(同22日)の決勝で登板する準備を進めていることを明らかにした。唯一のセーブを記録した日本ハム時代の2016年以来となる〝救援二刀流〟へ向け、まずはメキシコ戦で打者の一刀流だ。相手先発パトリック・サンドバル投手(26)を攻略するカギは、エ軍の同僚である自身の頭の中に。打ち崩すイメージを共有して侍打線を爆発へ導く。 準決勝で侍打線の前に立ちふさがるメキシコの先発左腕、サンドバルの特徴を日本代表で最もよく知るのは大谷だ。エ軍ではキャッチボール相手を務める仲。この日も練習中に談笑し、「お互いにね、『気を付けろよ。(エ軍キャンプ地の)アリゾナに行く準備はできてるか?』って言ってました」と軽口をたたきあったことを明かした。
準々決勝前には、エ軍のネビン監督が「大谷は米国ラウンドでは投げない」と〝暴露〟。30日のメジャー開幕戦先発に向け、準々決勝以降は登板しないと明言した。この日もグラウンドで打撃練習はせず、登板前のルーティンをこなす大谷の姿があった。重さの違うプライオボールを使った壁当てとキャッチボールの後は、屋内での調整に終始。代表と並行して、大会後の25日に登板予定のエ軍のオープン戦に備えているのかと思いきや、本人の口から衝撃の言葉が飛び出した。
投手の調整は決勝に向けたものだとし、「先発はないと思いますし、中継ぎでいく準備はしたいと思っています」と決然と宣言。「ここまで本当にね、球団にわがままを聞いてもらっていますし、本当に許容してもらっているところはある。最後の最後ですし、あとはもう、自分の体と相談しながら決めたい」と語り、登板に向けてエ軍と何らかの合意が得られたことをうかがわせた。
DHで先発しての救援登板となれば、日本ハム時代の16年10月16日、ソフトバンクと戦ったクライマックスシリーズ・ファイナルステージの最終第5戦(札幌ドーム)以来だ。「3番・DH」で先発した大谷は、3点リードの9回にDHを解除して抑えで登板。自己最速165キロをマークして2三振を奪うなど完璧に締め、初セーブで日本シリーズ進出を決めた。
21日(日本時間22日)の米国との決勝の先発候補に今永が浮上。 国際試合は10試合計30回を投げ2失点で、防御率は0・60。今大会も2試合計4回を投げ3安打1失点と安定感抜群の左腕が、世界一への鍵を握る。