福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

佛教人生読本、岡本かの子・・その11

2014-02-17 | 法話

第一一課 世の中


 捨ててみて、はじめて拾える世の中。皮肉な世の中。そのときは、もう自分で拾うのではない、寄ってたかって人が拾わせるのです。そのときは、もうたいして自分には興奮もない世の中ですが、その代り、失墜の心配もない。たいして得も取らせなければ、たいして損もさせない世の中です。
 だが、そうと判ってみれば、今度はなかなか面白く眼に映る世の中。
 誰かの句に、

身を捨ててまた身を掬ふ貝杓子

 他力信仰(他力信仰は浄土宗、浄土真宗の信仰の仕方で、阿弥陀仏のさしのべる手〔本願〕に救われる信仰生活です)のこつをいったものであります。
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