憧れの老僧の描写・・4
室生犀星「性に目覚めるころ」には犀星の老父がお茶を嗜む様子が描写されていて実父を彷彿とさせます。
「私は七十に近い父と一しょに、寂しい寺領の奥の院で自由に暮した。そのとき、もう私は十七になっていた。
父は茶が好きであった。奥庭を覆うている欅の新しい若葉の影が、湿った苔の上に揺れるのを眺めながら、私はよく父と小さい茶の炉を囲んだものであった。夏の暑い日中でも私は茶の炉に父 . . . 本文を読む
・・御託宣に宝亀四年二月二十五日『神というものは人のいつきいわいまつるに神徳は増すものぞ』とあるを以て如在の典礼を致し、崇敬の信心を成すならば、現当の念願成就円満すべきところに、身は懈怠不法にしてかりそめばかりの法楽、公事の参詣、なじかは神慮にかなうべき。しかるに我が咎をかえりみず利生の遅きと恨み申すぞ愚なる。・・
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