「戒・定・智慧も三密も三十七の道品も身三口四と、
意三より 皆生じたる功徳なり 」
・ここでいう「戒」とは、在家の五戒(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)、八戒(優婆塞・優婆夷が一日一夜受持する戒。離殺生・離不与取・離非梵行・離虚誑語・離飲酒・離眠座高度厳牀座・離塗飾香鬘・離歌舞観聴・離食非時食)
、沙弥の十戒(不殺生・不偸盗・不淫泆・不妄語・不飲酒・不塗飾香鬘・不歌舞観聴・不坐高大広床・不非時食・不蓄金銀宝戒)、比丘の二百五十戒、比丘尼の三百四十八戒と菩薩の三聚浄戒(摂律儀戒・摂善法戒・摂衆生戒)、 秘密の三昧耶戒(結縁灌頂等の入壇時に授かる密教行者の根本戒)等みなこの十善戒を本としている。
・「定」とは世間の四禅(初禅・第二禅・第三禅・第四禅)、四無色定(無色界に於ける境地、空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処)出世間の小乗の四念処(身念処・受念処・心念処・法念処)四如意足(欲如意足 ・勤如意足・心如意足・観如意足)等の定と、大乗の首楞厳定(煩悩の魔を破り、あらゆる三昧の内容を知る定)、華厳三昧(供花・教化・十度等の行のより所となる三昧)及び秘密の法界三昧等、皆この十善より生じる。
・「智慧」とは小乗では三界皆苦の道理を知り、諸行無常の真理を悟り、一切法無我の極理に達して無始以来の我見煩悩を断じて、貪瞋痴等の一切の迷惑を離れて清浄無垢なること満月の虚空にかかるが如き智慧の上に更に法無我お真理に達し、五蘊皆空の道理を明らめ生死涅槃において苦楽の二相を絶したる絶対中道般若皆空の智慧等をいう。
・「三密」とは、真言密教に於いて諸仏の身口意の三業の実相を説示するものをいう。所謂、口に諸仏の真言・身に諸仏の印契・心に諸仏の三昧地あり、この三密を衆生に授ける法門を真言密教というあり。この身口意の三密は衆生の身口意の三業を離れて清浄無垢にしてはじめて諸仏の三密と相応する事を得る。行善と止善との二種の十善の中、行善の極理、これを諸仏の三密という。是より上はない。されば諸仏菩薩の万徳はこの十善を一歩も出ることではない。
・「三十七の道品」とは
四念処(身念処・受念処・心念処・法念処)
四精勤(已生悪令滅・未生悪令不生・未生善令生・已生善令増長)
四如意足(欲如意足 ・勤如意足・心如意足・観如意足)・
五根(眼耳鼻舌身意)、
七覚枝(択法(法を選ぶ)覚支・精進覚支・喜覚支(真実の教えを喜ぶ)・軽安覚支・捨覚支・定覚支・念覚支)
八正道
をいう。この三十七の行によってよく仏果に至るのである。そしてこの(三十七の道品の)ごとくの功徳はことごとく十善戒より出てくるのである。
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