福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

母娘遍路日記その7(岩崎すみ、夕張郡、大正13年)

-0001-11-30 | 頂いた現実の霊験
二度と会えない善根宿のおばあさまのお別れして次は生木の番外札所正善寺に泊まりました。
翌日同宿の薮内さんというかたと正善寺の御住職と四人で横峰山にのぼりました。薮内さんは「家内は遍路にいきたいいきたいといいつつ果たせずに死んだので遺骨をもってまわっています。人間はこれをしてからあれをしてからなどといっていては何もできません。いまでは家内も遍路をさきにすませていれば死なずにすんだのではないかと思っています。」といいます。

山苺が沢山なっています。横峰さんはさむくて震えました。男の人二人は打ち戻りしました。

私と娘は星が森からおりて黒川の行者堂に登っていきました。吹雪になりました。山頂に吹き上げる風に吹き飛ばされそうになりつつ木の根草の根にしがみつきつつ息を潜めました。お大師様のみ心に導かれて登っていくのだからと気を奮い立たせました。

石槌山の成就社に着いた時は猛吹雪で一寸先も見えません。社の方がお風呂を沸かしてくださり、熱いおうどんを造ってくださいました。其の夜はつかれきってぐっすりねました。

石槌山をのぼった後、三角寺奥の院の仙遊寺への遍路道で迷子になりました。暗くなった山道を親子で道なき道を草に滑りながら下へ下へと降りていきました。心細くなり「南無大師遍照金剛」と必死で唱え続けました。
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