福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金山穆韶『大日経綱要』より要点その1

2015-10-02 | お大師様のお言葉
金山穆韶『大日経綱要』より要点・・その1
第一章序説、
第一本経の正意、
大日経王疏傳(実恵僧都)は御大師様の口説を記述したものであるがここに真言密教は直住月宮の法門であると書かれている。即ち月(悟りの世界)を見るとき地上から仰げば雲霧(煩悩)は月光をさえぎる邪魔者であるが、かりに神通の車にのって月の世界に至ったとすれば、雲霧は月光を遮らないのみかかえって月の光の光彩とみられるであろう。・・かく真言密教は直住月宮の教えであるといわれるとともに又、果分の教え、即身成仏の教え、従果向因の法門、・・などともいわれる。その故は密教は独特の行たる三密行を修してこの身の迷いを如来のうちに空しゅうすること、換言すれば凡身に即して如来の永遠不滅な生をみにつける道をおしえるからである。・・・密教によって修行するものは入門の最初から三密の法門を修し、如来の加持力によって如来の境地に入り、如来永遠の生を身につけるものである。かかる境地に至ったものの行為はすでに凡夫の行でなく、如来に代わって衆生済度の行をなしつつあるものである。従っていかにささやかな善根でもそこには永遠につきることのない価値がある。かかる境地を密教では即事而真、即身成仏という。即ちおのれを空じ、なげうって如来に帰依し、如来と共に生活するに至れば、従因至果の道程がそのまま従果向因である。

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