福聚講

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地蔵菩薩三国霊験記 7/14巻の1/8

2024-09-04 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 7/14巻の1/8

地蔵菩薩三国霊験記巻七目録

一、信者瑞相を蒙る事

二、畫像木像疑を破る事

三、道路作人は地蔵の一子の事

四、童子地蔵を畫き感應を得る事

五、逆縁罪を免る事、付けたり鳴海の地蔵の事

六、貧女尸を隠し霊験を給ふ事

七、神女尼に成る事

八、母の為に身を売る女の事

 

地蔵菩薩三国霊験記巻七

一、信者瑞相を蒙る事(この逸話の御本尊のお地蔵様は「博多区奈良屋町13」の社に「魚腹地蔵」として今もお祀りされている

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筑前國博多と云処に住みける女あり。過去の宿業に依りて拙き家に生れ貧乏限りなし。深く地蔵を信じ奉りき。されば起つ波吹く風の便だも忘る事なく假寝の夢にも寶号を思念しけるが生死無常の習ひ、大事の病に伏し今を限りと思ひける程に一の男子字を童子丸と申せしを近付けて云ひ置けるは吾娑婆の縁尽果て今身退らんなり、汝生長したらんにをいては随分に佛道に入るべし。我を戀しく思ふ折節は此の物を見るべしとて鏡一面を與へ、向かふたびごとに地蔵薩埵の名号を唱へよ。孝の至り斯に在りと泣く々虚しくなりにける。角して生長の後童子丸を六郎知景と改名しけるが親子の恩愛亡母の事ども思ひ連ね片時わすることなく侍る。言遺せしにことならず思の餘には彼の鏡を取出して向ひけるが或時

「かたみには よしなかりけり 面影を 見るに涙の増鏡かな」

と思つつ゛けて袖をしぼり此の鏡を母の御為によて破りて御長さ二寸四分(9㎝)に地蔵の尊像を鋳奉り膚の守りに入れて身をはなたずありしが何とぞ小堂を造立し此の佛を安置し奉んと願ふ所に得政と申して估却(こきゃく・取引)賣買の田地所領を本主地頭にかへし付けらるべき令旨の鎌倉殿へ宣下ある由を聞きければ由緒ある古文を相傳して持ちたりけるが今に至るまで二三代も知行せずしてありしが若哉(もしや)と思ひ鎌倉に下向し件の訴訟あげてげれば由緒や断たずありけん。運の程能ありけん、左右なく安堵を給ひければ喜悦の眉を開きて下向しけるが瀬戸の三嶋に宿願ありて参詣しけるが小舟に乗りて行くに波に戯れ手を指下ろしける所に大魚の口を張りて手を引き入れむとしけるほどに身をひきける處に如何がしたるやらん守袋を取り落しけっれば口に加へて波の底に沈みぬ。知景倩(つらつら)思けるは今度安堵して有れ¥らば一宇を建立し此の金銅の地蔵を安置し奉らんと願ひつれ生きてかひなき我が身かなとて仰伏して居たりしが同船に沙門ありしに是の分野(ありさま)を見て諫言しけるは所詮命を全ふして佛につかへたてまつり功を積み徳を累て一念の邪なきを修行とも云ひ孝行とも申す。今其の方の躰を見るに宿願の遂げざる事を痛み心志を失ひたるさま佛道修行の人とも親に孝あるとも云ひがたし。彼の魚佛像を取り奪ふも定めて徒(いたずら)ならまじ。宿世の因縁などかなからむ。却って其方の信をすすむる方便なりと弥よ欣然の思を成し給へとぞ教訓ありける。知景實(げ)にもと得心して勇猛の志を出し地蔵の宝号を念じ奉りしが猶無念の事をしつる物哉と安芸の國厳嶋に参籠して祈誓しけるは帰命頂禮厳嶋大明神は忝くも本地胎蔵界毘盧遮那如来の垂化にして(渓嵐拾葉集巻第三十七「厳島者、胎蔵界大日如来也」)三世の諸佛生出の慈母也。群迷の出離しがたきを哀み真如實際の都を出て難化の衆生をも利益し給ふ。然れば則ち某甲、母の遺像を不慮に大魚の為に奪はれ宿意を達せずと云ひ、そもそも亦不孝の罪に及びぬ。傳へ承る當社大明神は娑竭羅龍王第三の姫と現じ給ふと。若し然らば海中の大魚を罰して吾失ふ所の聖像を得せしめ玉へと、偏身より汗を出し丹誠無二にぞ祈り申す。夜も三更(午後十一時から午前一時まで)に及んで少し睡りける夢に微妙の女性一人立向給ひ、汝あまりに母の為に孝をつくす心入のほどありがたし。憂ふる事勿れ汝が母は天に生れ上妙の楽を得且又失ふ所の聖像はやがてかへしあたふべしとてかくれさせ玉ひぬ。夢覚めて貴く思ひ再拝して夜明けてぞ下向しけるが赤間が関(下関市赤間町)にぞつきみける。知景人々に酒をすすめんとて肴なんど調へしに鮫と云ひしものを買取りすでに切らんとするに腹の中に堅くして如何ともしがたし。不審にをぼへて見るに錦の袋に入りたる守りなり。能々之を見るに已前失ひし所の本尊なり。知景餘に喜くて是全く厳嶋大明神の御哀愍よと心中に深く思念し感涙袂を潤しける。角して本地相異なく安堵してげる上は家も富み屋宇豊かに宿願少しも滞ることなく一寺を草創して靈像を安置し奉る。神験祈りに随ひ冥感求に應じ今世に存在せり。凢そ一佛成道するときは草木國土悉く皆な成佛す(真言宗教時義・安然「中陰経に云、釈迦成道時、一切草木皆成佛道」)一人鎮護の誓あれば万民皈依の真をなす、されば徒に明かし暮らす月日の中に一佛の名号を唱へて人を導くまでこそなくとも我身一分の為なりともせさらんや。今日有る人も明日は無し。餘所がましく思時に望身に當節に周章躁ぐことのうたてさよ。平日煩悩のためにたぶらかされ常寂滅相を忘却すること浅間敷事にあらずや。假にも修善の輩は地蔵菩薩是の人を守護し給ふと頼母敷念じ誦すべし。

引証。延命經に云、天狗土公乃至江海神水神等若し此経・是菩薩名を聞けば諸邪気を吐き、自ら本宮を覚り、 速に菩提を証せん」(仏説延命地蔵菩薩経「佛、帝釈に告げたまはく、「未来世に於いて若し衆生ありて此経を受持し是の菩薩を恭敬供養する者は、百由旬内に無諸災患、悪夢悪相・諸不吉祥・魍魎鬼神・鳩槃茶等も永く便を得ず。天狗土公・太歳神宮・山神木神・江海神・水神・火神・饉餓神・塚神・蛇神咒詛神・靈神・路神・竈宅神等、若し此経・是菩薩名を聞けば諸邪気を吐き、自ら本宮を覚り、 速に菩提を証せん」)

本願經に云、地蔵菩薩は六道の一切衆生を教化して発する所の誓願劫數は百千の恒河沙の如し(地藏菩薩本願經地神護法品第十一「是地藏菩薩教化六道一切衆生。所發誓願劫數如千百億恒河沙」)。

 

 

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