坂村真民「その人」
「 暗い日々の 暗い夜々の
半盲のあけくれのなかにも
消えてはともり ともっては光るものがあった
その人の名を呼ぶとき
その人を念ずるとき」
これは坂村真民さんんが実際に盲目になりかけた時の詩のようですが、「人生の暗闇」を象徴していると考えてもよいと思います。私も幾度も人生の真っ暗闇に出会いましたが、此の詩を知っていればもっと早く立ち直れたのにと思いました。
「その人の名を呼ぶとき その人を念ずるとき」という「その人」を人はどうしても見つけておかなければなりません。私の場合は畏れ多いことですが「お大師様」です。今思うと何度死んでいてもおかしくない自分の人生をお守りいただいたのは「お大師様」です。「お大師様」を思い、心の中で呼びかけるとどこにいても言いようもなく有難く懐かしくなります。そしてこの信仰を植え付けてくれたのは父母です。