謡曲「熊野」にも六道の辻が冥途に通う道であると信じられていたことが伺えるくだりがあります。
地 「河原おもてを過ぎゆけば。急ぐ心の程もなく。
車大路や六波羅の。地蔵堂よと伏し拝む。
シテ 「観音も同座あり。闡提救世の。方便あらたにたらちねを守り給へや。
地 「げにや守の末すぐに。たのむ命は白玉の。
愛宕の寺も打ち過ぎぬ。六道の辻とかや。
シテ 「実に恐ろしや此道は。冥途に通ふなるものを。心細鳥辺山。
地 「煙の末も薄霞む。声も旅雁のよこたはる。
謡曲「熊野」にも六道の辻が冥途に通う道であると信じられていたことが伺えるくだりがあります。
地 「河原おもてを過ぎゆけば。急ぐ心の程もなく。
車大路や六波羅の。地蔵堂よと伏し拝む。
シテ 「観音も同座あり。闡提救世の。方便あらたにたらちねを守り給へや。
地 「げにや守の末すぐに。たのむ命は白玉の。
愛宕の寺も打ち過ぎぬ。六道の辻とかや。
シテ 「実に恐ろしや此道は。冥途に通ふなるものを。心細鳥辺山。
地 「煙の末も薄霞む。声も旅雁のよこたはる。