福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講今日の言葉

2014-01-12 | 法話
観音経の功徳

観音経そのものが正式には「妙法蓮華経観世音菩薩普門品」というように「観世音菩薩」が「普門」(あらゆるところ)示現されて衆生済度をされるというお経ですからお経そのものが観音様の功徳を書いてあります。(実は観音様とは自分自身でもあるのですから「普門」は当然ではあるのですが・・・)。

天台大師智は「摩訶止観」で、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天)救済の六観音を説き、「観音玄義」で観音様と衆生は元来一つである述べ、入滅に際しては、観音さまの来迎をうけて往生されたと伝えられています。

日本仏教の祖、聖徳太子は「法華義疏」の中で観音様が種々の肉身を現して衆生済度することを説いています。親鸞聖人は聖徳太子を観音様の化身と呼んでいます。

今昔物語巻十六には観音様の霊験が四十ばかり集められています。例えばその中の第一話 は「僧行善観音の助けによりて震旦よりかえりきたれること」というもので仏法のため 高麗にわたった僧が唐との戦にまきこまれて兵におわれ河を渡ろうとするが橋も船もなくこまって観音様を念じると突然老翁が操る船がきて渡してくれるがそのあと船、翁ともに消えてしまいます。「行善これ観音のたすけたまふなりけり。とおもひて・・観音の像を造り奉りて供養して日夜に恭敬したてまつること限りなし。」とあります。第十六話としては有名な蟹満寺の縁起があります。「山城の国の女人、観音の助けによりて蛇の難を逃れること」と言う題です。日頃観音経を読誦し観音様を念じていた女性が道で蟹を助けます。一方、ふとしたことでこの女性は大蛇にみいられ家を襲われますが僧がきて「玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃・・」等と唱えよと教えます。そのうち多くの蟹が現れ蛇を退治し女性を助けたと言うものです。「その後、蛇の苦を救い、多くの蟹の罪報を助けんがために・・その上に寺を建て・・」これが蟹満寺であるとしています。第二十五話は「島にはなたれし人、観音の助けによりて命を存したること」というもので悪人により無人島にとりのこされた大隈の掾という人が無人島でも毎日観音経をあげていたところ突然釣り船が来て助けられたという話です。

道元禅師も中国からの帰途、船が暴風雨に逢うが観音経を読誦し助っています。 

「坂東観音霊場記」の著者亮盛も桑名沖で時化にあい遭難しかかったとき観音経をあげ坂東を巡り霊場記をあらわすことを観音様に誓約して難を逃れています。  
白隠禅師は「辺鄙以知語」で「(観音経を)読誦する人 、僧俗男女をえらばず、或は難病を治し、或は災難を遁れ、あまつさへ読む人必ず長寿を得。」と説いています。

高村光雲は浅草の観音様をおまいりして仏師になる決意をしています。

熊平金庫(広島)の熊平源蔵氏は日頃信仰する観音さまのおかげで8月6日にさまざまなハプニングがおこり電車を遅らせたおかげで原爆にあわなかったと「わたしの観音霊験記」に書いています。                                                                                                                                                                                                                                   
      



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