「現象世界に関する仏教の記述の一部は現代物理学、とりわけ量子力学と相対性理論という支柱を成す二大理論の根底にある考え方に驚くほど似ている。・・まず仏教の基本概念である「諸現象の相互依存」を考えてみよう。何者もそれ自体では存在せず、それ自身の原因ではない。あるものは他のものにより初めて定義される。現象の表出には相互依存が必要である。もし相互依存がなければ世界は動かなくなるはずだ。どんな現象も他の現象と結びつき関連しなければ発生しえない。現実は場所を特定することも、分割することもできず、全体的で総合的なものとみなさなければならない。
現実のこの全体性は物理学のいくつもの実験により明らかにされている。原子、阿原子の世界では現実のこの全体性は分割不可能であり、相互作用した2つの光の粒子は唯一で同一の現実の一部をなし続けることをEPR型の実験はおしえている。両者の距離がどんなに大きくともなんの情報伝達もなしに両者の振る舞いは直ちに相関する。マクロ世界についてはフーコーの振り子がそれを証明している。振り子の振る舞いはその局所的な環境にではなく宇宙全体に合致している。
われわれの微少な地球で起こることは広大な宇宙の中で決定されている。」
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