御大師様の先祖供養についてのお考え・・16
・大師は大宰少弐田中氏の先妣の周忌斎を行われています。写経や法要で施主も福を受け一切の生類に及ぶとされています。
「田少弐が先妣の忌斎を設くる為の願文 一首」 「恭んで惟れば身体を陶冶するは二親の恩重し、岳瀆を酬報せんこと仏にあらざれば誰にか帰せん。沒駄の力もって為さざるところなし。これを憑み、これを仰げば怨親なおし子のごとし。神通縁あり、悲願極りなし。利楽抜済の倦むこと憚らず。汪汪たる徳、言絶え、思断えたり。伏して惟れば先妣田中氏は婦徳桃林よりも瓞茂たり。母儀蘭苑よりも芬馥たり。冀うところは告面を芥劫に竭さんことを。何ぞ図らん、芝玉を露の朝に害せんとは。嗚呼痛いかな、酷裂たる罪苦。弟子等火を呑み、鴆を飲むがごとし。斗建を記せざるに、漏鐘矢のごとしくにして周忌たちまちに臨めり。その徳厚く深うして報ぜんと欲するに極りなし。
ここを以て大同二年仲春十一日,恭んで千手千眼大悲菩薩ならびに四摂八供養摩訶薩埵等の一十三尊を図絵し、ならびに妙法蓮華経一部八軸、般若心経二軸を写し奉り、兼ねて荒庭を掃洒して聊か斎席を設けて潔く香華を修し、諸尊を供養す。
伏して願わくはこの徳海を傾けて焭魂を潤洗せん。妄霧をかかげてもって大日を覩み、智鏡を懐いてもって実相を照らさん。法の不思議これを用いて窮尽なし。福、現親に延いて寿考光寵ならん。臣子善あれば必ず所尊に奉ず。この勝福を廻して聖朝に酬い奉り、金輪常に転じて十善弥新ならん。春宮瓊枝(親王)宰輔(大臣)百工(百官)共に忠義をつくし、福履これをやすんぜん(福録をゆたかに安らかにする)。五類の提婆(五種の天)、十方の数生(有情)、同じく一味の法食に飽て等しく一如の宮殿に遊ばん。」
・大師は大宰少弐田中氏の先妣の周忌斎を行われています。写経や法要で施主も福を受け一切の生類に及ぶとされています。
「田少弐が先妣の忌斎を設くる為の願文 一首」 「恭んで惟れば身体を陶冶するは二親の恩重し、岳瀆を酬報せんこと仏にあらざれば誰にか帰せん。沒駄の力もって為さざるところなし。これを憑み、これを仰げば怨親なおし子のごとし。神通縁あり、悲願極りなし。利楽抜済の倦むこと憚らず。汪汪たる徳、言絶え、思断えたり。伏して惟れば先妣田中氏は婦徳桃林よりも瓞茂たり。母儀蘭苑よりも芬馥たり。冀うところは告面を芥劫に竭さんことを。何ぞ図らん、芝玉を露の朝に害せんとは。嗚呼痛いかな、酷裂たる罪苦。弟子等火を呑み、鴆を飲むがごとし。斗建を記せざるに、漏鐘矢のごとしくにして周忌たちまちに臨めり。その徳厚く深うして報ぜんと欲するに極りなし。
ここを以て大同二年仲春十一日,恭んで千手千眼大悲菩薩ならびに四摂八供養摩訶薩埵等の一十三尊を図絵し、ならびに妙法蓮華経一部八軸、般若心経二軸を写し奉り、兼ねて荒庭を掃洒して聊か斎席を設けて潔く香華を修し、諸尊を供養す。
伏して願わくはこの徳海を傾けて焭魂を潤洗せん。妄霧をかかげてもって大日を覩み、智鏡を懐いてもって実相を照らさん。法の不思議これを用いて窮尽なし。福、現親に延いて寿考光寵ならん。臣子善あれば必ず所尊に奉ず。この勝福を廻して聖朝に酬い奉り、金輪常に転じて十善弥新ならん。春宮瓊枝(親王)宰輔(大臣)百工(百官)共に忠義をつくし、福履これをやすんぜん(福録をゆたかに安らかにする)。五類の提婆(五種の天)、十方の数生(有情)、同じく一味の法食に飽て等しく一如の宮殿に遊ばん。」