福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

安倍総理の米議会演説の成功

2015-04-30 | 法話

昨夜安倍総理がアメリカ議会の上下両院総会で演説し、大成功を収めたようです。一国民としてほっとしています。
雑感を記録しておきます。

・一つ目は、岸総理(一族の吉田茂・佐藤栄作・父安倍晋太郎等も)の霊魂が今回の重要な訪米を守ったのかもしれないと感じたことです。安倍総理は50数年前の祖父岸総理のアメリカ議会演説を引用したようですが、四国遍路で何度か岸総理の書が寺寺に収められていたのを思い出しました。理趣経の一節を聯にしたものや、般若心経を流麗な筆使いで石に刻んだものなどです。稀代の名筆といわれた岸総理はめったに揮毫には応じなかったといいますが四国の寺寺には多く納経の書をのこしていました。こういう信仰の徳をもっていた岸総理は没後も当然冥界から今日の日本を心配していたはずです。子孫の安倍総理の訪米もその意味で守ってくれていたのだと思います。

・二つ目は、安倍総理が深く意識したかどうかは不明ですが演説の中で期せずして「怨親平等」思想を説いたことも今回神仏が守ってくださった所以かもしれません。総理は演説の途中で硫黄島での戦いに参加したアメリカ海兵隊のスノーデン中将と、日本軍の硫黄島守備隊司令官栗林大将の孫の新藤前総務大臣が傍聴席にいて握手するのを歴史の奇跡と紹介していますが、日本には古来、「怨親平等」という仏教の考えが根ずいています。これは華厳経等多くの経典で繰り返し説かれている基本思想です。敵味方を区別しないという思想です。
高野山奥の院には、朝鮮の役の高麗陣敵味方戦死者供養碑があり、太平洋戦争のボルネオ戦の日本軍・豪軍・現地人の総霊供養塔もあります。高野山が世界遺産に登録されたのはこういう敵味方を全て供養するという怨親平等思想にもとずく史跡があるからといわれてもいます。
また鎌倉円覚寺は北條時宗が元寇の役の敵味方供養のため建立したことは有名です。日露戦争後には旅順に「旅順陣歿露軍将卒之碑」を日本が建立しています。こういう例は日本国中到る所にあります。怨親平等思想は仏教の思想ですが残念ながら中国韓国には根ずかなかったようです。しかしいつまでも怨みに報いるに怨みを以てする、という狭い考えでは世界のリーダーとしては致命的に適格性を欠くと言わざるを得ません。

・三点目は昨日も書きましたが、今後の世界を日本がいままで築き上げてきた精神性によってリードする使命があるわけですが、今回はその一ページめとなるかもしれないとかんじたことです。排除の思想でなくあえていえば「摂取不捨」の思想が出ていたかもしれません。国民は他人事のように演説を批評するのでなく今後世界の中で一人ひとりが精神的リーダーたりえることができるように各自努力することも大切です。鈴木大拙「霊性的日本の建設」には、日本が中心となって世界が国家群の法界曼荼羅であることを具現していくべきとあります。
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