第五、『君』 ・・世界は世界それ自体の解決方法として必ず何とかもとまりのつくべき筋がないはずはない、法性自爾の力として行くべき道の解決はついている、それを探してみると世界はその中心部に世界そのものを始末すべくちゃんと其の整理の天則が存している。其れが統一性本能で生み出した統一道法であって、その道法の任持者としてその道法の一番の苦労人がこれに當ることに先天的に成立して居るのが、即ち日本國體である。・・そうすると其の天職といふものが思想や議論でなくて仕事なのであるから、さうなるとどうしても其の束ねをするものが要る。しからば・・この「道」を開創した祖宗の子孫がその祖宗を代表して常にこれに光臨しておれば、そのまま『道』の主が居ると同様である。・・この「君」は人民から拵へた「君」ではなくて、人民より前に「君」として存して居る「君」である。それはこの「道」を持してこの「國」を定めてこの「民」を降ろした「神」である。その「神」が延長してその効力を事実にしたのが日本の君主である。故に日本の「君主」は神が第二の自己として拵へたものであるから、日本の天子を現人神と称するのである。即ち、
「神」・・に延長せる天統の主
「道」・・・の最大責任者たる道の主
「國」・・の創造者所有者たる國の主
・・日本帝室は万世一系だから尊いのではない、尊いから万世一系なのである。・・万世一系ならしめた原因そのものが尊いのである。・・日本帝室の萬世一系なるは当たり前である。そのわけは「天壌無窮の帝祚」であるからである。その天壌無窮であるわけは「天壌とともに窮まらない『道』を性命として居るから、『道』が永久性を有して居る通りに永久であるから天壌無窮といふ。」のであって、・・天壌無窮のものが万世一系であること、もとより当然である。故にその真価の存するところは萬世一系の結果よりは常住不変の「道」の活現たる「日本國體」の中核にまします天津日嗣(注・・あまつひつぎ、天皇の位を継承すること。天津日神(天照大神)の勅命により歴代受け嗣がれるとの思想から出た語)の道統そのものにあるのである。
道の主体たる天津日嗣は元来帝室の珍でもなければ単に日本の宝でもない。實は世界の至宝である。世界が干戈や血火によって統一されないで柔軟の光に撫でられて真道に救ひ取られるといふことは何といふありがたいことであろふ。「道義的統一」といふことで日本といふ國がこの世界に建てられたことは、たしかに世界の光明であり憧憬でなくてはならぬ・・。
(中国外務省から出たといわれる。「2050年の国家戦略地図」が以前ネット上で話題になりましたがこれには、台湾や朝鮮半島、樺太、インド、ベトナム、日本、インドネシア、オーストラリア、中近東も中国の領土となっています。今時こういう時代錯誤の低俗な物欲のかたまりのような考えでは自滅するしかありません。朝鮮半島も極端に低俗化している現在、田中の説くように、いまこそ日本が世界を精神的にリードすべき時です。)
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