福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

矢作直樹東大医学部教授「人は死なない」から

2013-01-31 | 法話
矢作直樹東大医学部教授「人は死なない」を読みました。すばらしい内容なので一部を紹介します。
・「佐藤弘夫は『死者の行方』の中で葬送の形態を
①古代から十一世紀まで。簡単な葬送儀礼の後、風葬
②十一世紀から十六世紀まで。火葬後、遺骨を霊場に納め、墓塔建立。・・平安以降浄土信仰が広まり、彼岸往生をねがった。(他界浄土)
③十六世紀から十九世紀まで。。。死者は檀那寺の墓地に埋葬され、子孫による墓参が確立。彼岸世界の縮小とともに死後もこの世の一角に安眠し、子孫とやり取りすることをねがった。
④十九世紀から現代まで。家の墓の普及。遺影を部屋に飾る。死者は生者の記憶の中にのみ存在。」
・(著者が亡母と霊媒役を通して交流したときの会話。心配するなという亡母の言葉に著者が)「わかりました、でも私が毎月行っている納骨堂へのお参りは続けていいんでしょう?」というと母は「それはうれしいわ」と答えています。供養は故人にはうれしいということです。
・(医者としての様々な体験や、古今東西の哲学者等の意見を総合して来世や霊界はあると主張する著者は更にいいます)「人の人生は・・・見かけ上不公平、理不尽に見えることは多々あります。なぜあの人は夭折してしまったのだろう。なぜ生まれながらに重い障害を負ってきてしまったのだらう。善良にいきているのになぜこんなにつらい目にあうなだろう、などと考えてしまうことが誰にでもあるはずです。けれども我々の人生の旅は死後も続くと、摂理の意志は悠久の生のなかで折り合いが付くよう働いている、と考えれば現世での苦しみや悲しみが多少なりとも癒されるのではないでしょうか。いやそのように考えないと矛盾のみちたようにも見えるこの人生を理解できるものでは在りません。・・」
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