理想の帝王・転輪聖王も圧倒的武力を有していたこと。
仏典には理想の帝王として転輪聖王が描かれていますが転輪聖王も圧倒的武力を有していたことが書かれています。
以下、佛教大辞典等に依ります。
転輪聖王は中阿含経第13・15、増一阿含経第13・33・48、無量寿経巻上、大方便佛報恩経第2、悲華経第2、佛本行集経第1ないし5、・・大薩遮断尼乾子所説経第3、・・大智度論第4,24・・等々無数の仏典に説かれる理想の帝王です。そもそも雑阿含経第15等に、仏の説法を転法輪と名けたのは転輪聖王の転輪寶に擬したものとあります。それほど仏典に理想の帝王とされる転輪聖王はどういうお方かというと、中阿含経第11・四洲経に「往昔、王あり、名けて頂生といふ。転輪王となりて聡明智慧あり。四種の軍ありて天下を整御し、己に由りて自在に如法の法王にして七宝を成就す。七寶とは輪寶・象寶・珠寶・女寶・居士寶・主兵臣寶、是を七寶と為す。千子具足し、顔貌端正に、勇猛無比にして能く他の衆を伏す。・・」とあり、武力も他を圧していることを描写しています。長阿含経第18・転輪聖品に依っても、転輪聖王は七寶(金輪寶・白象寶・紺馬寶・神珠寶・玉女寶・居士寶・主兵寶)を成就しているとあり、七寶のうち最初の「金輪寶成就」とは「転輪聖王十五日の月満ずるの時、高殿の上に昇に天の金輪寶忽然として王の前に現じ、東方に向かって転ず、王乃ち四兵を将ひてその後に随って行くに東方の諸国王は皆帰伏して各々の国土を献ず。次いで南方西方北方を行くに輪の至る所に随ってその諸国王は各皆国土を献ず」とあり、また「主兵寶成就」とは、「主将忽然として現じ、智謀勇猛にして能く四兵を令す・・」とあります。
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