今日は民福を祈るため名神社に僧侶を派遣した日

 

「文徳天皇実録」斉衡元年（854）四月丁巳（3日）条

「伝灯大法師位智戒・興智・真秀、伝灯法師位明昭・玄永、伝灯満位僧基蔵・基秀を遣りて七道諸国名神社に向はしめ般若を転読し民福を祈らしむ也。」

 

 

 

大鏡「世継文徳天皇と申しける帝は、仁明天皇御第一の皇子なり。御母、太皇太后宮藤原順子と申しき。その后、左大臣贈性一位太政大臣冬嗣の大臣の御娘なり。この帝、天長四年丁末八月に生まれ給ひて、御心明らかに、よく人を知ろし召せり。承和九年壬戌二月二十六日に御元服。同じき八月四日、東宮に立ち給ふ。御年十六。仁明天皇元おはする東宮を取りて、この帝を、承和九年八月四日、東宮に立て奉らせ給ひしなり。いかに安からず思しけむとこそ思え侍れ。嘉祥三年庚午三月二十一日、位に就き給ふ。御年二十四。さて世を保たせ給ふこと八年。・・」