明日は興教大師御生誕日です。興教大師和讃です。
「興教大師和讃
帰命密厳大尊者興教大師大権化 愛愍衆生智行徳 我今略述讃聖儀
聖儀 の奥は不知火の 肥前藤津に降誕し 寛助の室にすみ染の衣かへてぞ修し玉ふ 南都修学 の夜の月 後円明を兆しつつ 春日摩頂の春の花 終に果実を結びけり 青蓮聖に値遇しては 祈りし法器と嘆ぜられ 明寂闍梨を尋ねては 互ひに師資と敬はる 八度聞持の救世の願 我 等を悲愍の外ならず 千日無言の自利の行 誰がため苦忍の勤めぞや 稲荷に精祈の神助 には 券主荘をぞ喜捨しける 信貴に懇修の冥被には 天王珠をば親授あり 聖慧親王謁しては 所願にかなふ助奏あり 鳥羽法皇に参じては
御夢に違はぬ御感じあり 御感によりて小伝法 大伝法院密厳院 所造功徳の勝縁は 我等に廻向の種因なり 落慶供養の大曼荼羅供 法皇行幸公卿供奉 當夜はじめて伝法会
二利成弁の軌則とて 修学煉行春秋の 二季の法会ぞ殊勝なる 法皇御随喜限りなく
荘園與丁を勅賜せり 秘教の諸流自他門を 大成せまく勅を請ひ 小野廣澤に三井の流
残らず汲み取りたまひけり 小野の官庫を召されては 世に無き秘蔵を閲せられ 鳥羽の宝蔵ひらきては 大師龍王賜はせり 青龍和尚の後身とは 忠道公の夢に見え 白蓮華上の権者とは 珍也法師の夢に知る 珍海已講の問答に 博覧深智を感嘆し 教尋阿闍梨は影向に 密厳菩薩と崇奉せり 二世の孝養思はれて 慈父の追福悲母のため 孝養集の三巻を 記して母に送られぬ 自他 の罪業悲しみて 身口顛倒意馬のため 発露懺悔の四十 四句 作りて弟子に貽されぬ 降魔の威力示現には 錐鑽不動の霊をたれ
阿字月輪の修観には 寺壁院池に影現ず 聞持の峯には忽ちに 五百佛頭を出現し 楓樹の上には時々に 真然僧正影向す 水輪定には水湛へ 阿遮等至には火炎満つ 墻外に天眼通たかく 和歌に圓鏡力ふかし 白山擁衛を誓ひては 妙理偉服の神となり 春日鎮護を契りては 行満了髻の童となる 一世の化益成満し 諸弟に遺誨垂示して 康治二年の冬の空 十（有）二月十二日 無量寿なれど四十九に 不滅の滅を取り給ふ 五智房理趣を誦しぬれば 龕より首句を誦したまふ 廣澤六流の随一祖 初位三昧の大士にて
大悲根来の本ふかみ 三密秘厳枝しげく 徳香萬世にかをりては 普聞普薫の益をなし 法流諸州にうるひては 遍満遍至の徳なせり 唯願大尊者 慈眼視我等 離障具福智 成密厳果人 南無密厳尊者興教大師」
「興教大師和讃
帰命密厳大尊者興教大師大権化 愛愍衆生智行徳 我今略述讃聖儀
聖儀 の奥は不知火の 肥前藤津に降誕し 寛助の室にすみ染の衣かへてぞ修し玉ふ 南都修学 の夜の月 後円明を兆しつつ 春日摩頂の春の花 終に果実を結びけり 青蓮聖に値遇しては 祈りし法器と嘆ぜられ 明寂闍梨を尋ねては 互ひに師資と敬はる 八度聞持の救世の願 我 等を悲愍の外ならず 千日無言の自利の行 誰がため苦忍の勤めぞや 稲荷に精祈の神助 には 券主荘をぞ喜捨しける 信貴に懇修の冥被には 天王珠をば親授あり 聖慧親王謁しては 所願にかなふ助奏あり 鳥羽法皇に参じては
御夢に違はぬ御感じあり 御感によりて小伝法 大伝法院密厳院 所造功徳の勝縁は 我等に廻向の種因なり 落慶供養の大曼荼羅供 法皇行幸公卿供奉 當夜はじめて伝法会
二利成弁の軌則とて 修学煉行春秋の 二季の法会ぞ殊勝なる 法皇御随喜限りなく
荘園與丁を勅賜せり 秘教の諸流自他門を 大成せまく勅を請ひ 小野廣澤に三井の流
残らず汲み取りたまひけり 小野の官庫を召されては 世に無き秘蔵を閲せられ 鳥羽の宝蔵ひらきては 大師龍王賜はせり 青龍和尚の後身とは 忠道公の夢に見え 白蓮華上の権者とは 珍也法師の夢に知る 珍海已講の問答に 博覧深智を感嘆し 教尋阿闍梨は影向に 密厳菩薩と崇奉せり 二世の孝養思はれて 慈父の追福悲母のため 孝養集の三巻を 記して母に送られぬ 自他 の罪業悲しみて 身口顛倒意馬のため 発露懺悔の四十 四句 作りて弟子に貽されぬ 降魔の威力示現には 錐鑽不動の霊をたれ
阿字月輪の修観には 寺壁院池に影現ず 聞持の峯には忽ちに 五百佛頭を出現し 楓樹の上には時々に 真然僧正影向す 水輪定には水湛へ 阿遮等至には火炎満つ 墻外に天眼通たかく 和歌に圓鏡力ふかし 白山擁衛を誓ひては 妙理偉服の神となり 春日鎮護を契りては 行満了髻の童となる 一世の化益成満し 諸弟に遺誨垂示して 康治二年の冬の空 十（有）二月十二日 無量寿なれど四十九に 不滅の滅を取り給ふ 五智房理趣を誦しぬれば 龕より首句を誦したまふ 廣澤六流の随一祖 初位三昧の大士にて
大悲根来の本ふかみ 三密秘厳枝しげく 徳香萬世にかをりては 普聞普薫の益をなし 法流諸州にうるひては 遍満遍至の徳なせり 唯願大尊者 慈眼視我等 離障具福智 成密厳果人 南無密厳尊者興教大師」
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