福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

天皇陛下の御即位灌頂について・・4

2019-03-04 | お大師様のお言葉
その後、弘法大師の時に至り、即位灌頂が出てきます。慈雲尊者「『四海領掌大事』口伝」の内容を記述します。「先師曰く弘法大師弘仁七年六月十九日、上表七月八日、勅許を得て高野山を以て入定のところとし、一棟の草庵を作り、高雄の旧居を去ってここに移り入て住す。時に弘仁十四年(824年)七月嵯峨上皇勅して大師を召し、高雄より暫く中務省に寓す。時々御物語あり、ある夜近習を避けて大師一人を御座近く召して曰く『師遠く蹌踉を超へ、明師に値遇し秘密曼荼羅を伝承す。是我が国宝祚長久の吉兆にして万民豊饒の祥瑞なり。しかるに朕、前時代より承伝する即位の大事あり。師が伝へし法中にも王者の印契ありや。』大師答えていわく『密教もとより即俗而真世間相常住の法門にして、外金剛部神祇灌頂の式あり。人中王者四海領掌の印契あり。』天皇曰く『朕の相承せし処を師が伝えし法門に照らし看ばいかん』大師曰く『固より願うところなり。王法仏法久住して国家を光輝し、安穏万民豊楽大大吉瑞なり。』天皇相伝の印契を示したまひ、大師伝承の秘奥を開きたまふに、誠に符節を合わせたるがごとし。このとき天皇感涙にたえさせたまはず、大師歓喜の涙にむせびたまひ、この夜お互いに言の宣ぶるべきをしらずわが朝神道灌頂ここに開けたりといふことなり。」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一番近くにいる人を本当に幸... | トップ | Q、いじめがひどくて悩んで... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

お大師様のお言葉」カテゴリの最新記事