オリンピックが終わり、ようやく落ち着いたところで久々にNHK大河ドラマ「平清盛」を見た。
残念ながらまたも最後の10分はつまらないからチャンネルを切り替えた。 このドラマは過去数回もこんな調子。
実際、視聴率も過去最低だそうで、TVの視聴率と意見が合うのは初めてのこと。
何が駄目かを列記すると、まぁ私見ではありますが、
1.主役が大根
いつまでも青年「清盛」のままで、平家一門の総量としての重厚感を表現できていない。
NHK大河ドラマはここの所、青年期と老年期の演じ分けできない役者の起用が多い。
とりわけ女優陣はひどくて、いつまでも若くて美しい、これは役者の質に負うところが大だと思う。
「松山ケンイチ」って役者と同じ役を演じた「仲代達也」と比較せざるを得ないから、そもそも、このドラマは企画時点でボタンを掛け違えている。
2.助演陣も酷い
敵役の源氏一門の軽さ、武家の棟梁と言われた「征夷大将軍:源義家」の一族が、まるで喜劇みたいな軽い役者陣。 まぁ、このドラマはこの配役やら現実の演出を見て見限ってしまったのもあるが。
過去との対比でいえば、義朝は、「玉木なにがし」と「木村功」の比較、勝負にならない。
信西入道は「???」と「小沢栄太郎」、故に”平治の乱”では義朝に肩入れ出来たし、隠れた信西が源氏に見つけられた時は喝采したものだった。
3.演出も酷い
とこかの年始番組の「かくし芸大会」のドラマの様。
俳優陣に物言い出来ない演出家が安易にOKを出した結果かもしれない。
前述の重厚感を表現できないのは、役者の質もあるが、演出の力量によるところも多いだろう。
で、良い所といえば、
1.武家と貴族の衣装やら風体やらの使い分けが見事。
武家の泥臭さは評価に値する、これを非難した地方自治体の長もいた様だが、「水戸黄門」と違うのだから。
2.時代の変革期を表現している
これが強すぎて、役者陣の大根ぶりと重畳されて負の効果になってしまったが、つまらないドラマに目をつぶれば良き歴史理解の材料になるのは確か。
平家物語は中国の「三国志」に匹敵する素材だと思うし、大河ドラマにはこれまでも歴史小説を数多く紹介してもらった。実際大河ドラマがきっかけで読んだ歴史小説は数しれず。
NHKにはこれにめげずに歴史ドラマにチャレンジして欲しいと思う、なぜならば民放では真っ当な物など絶対出来ないし、「24時間TV」とか「バラエティ」とかのあまりにばかばかしい番組の氾濫で少々辟易しているから。