「レベッカ」
これは、130分の長尺が全然気にならない面白さで傑作映画。
昔TV放映で観たのは90分位に短縮したダイジェストみたいなもんで途中で無遠慮にCMが入る、今から思えばこんなのでも「観た」気分になっていた。
昔この映画を観た母がいたく感動して、一生懸命アラスジを(聞く方の迷惑を顧みずに)とうとうと述べたもんだった。
ヒロインがまた綺麗でどちらかといえば清楚な美しさ(ジョーン・フォンティン)、アメリカのワイフではこうはならないだろうという位に献身的、と違和感を感じていたら英国が背景の物語だった。
ヒロインに勘定移入してしまうのは冷酷な召使”ダンバァース夫人”との対比効果が効を奏している様だ。
キザな旦那はローレンス・オリビエ、どちらかというと「マラソンマン」の悪役ナチスの方が馴染みなのだが、「サー」の付く立派な貴族だからこの映画のこういう役はものすごく自然に演じている。
最後までタイトルの本人「レベッカ」が出てこないのが不気味、唯一仮想パーティでヒロインが扮した格好が「レベッカ」とそっくりと表現されているのがすべて、ここらへんがヒチコックの見事さかな。
〔内容〕
J・フォンテイン演じるヒロインが、リビエラ旅行中に英国紳士マキシムと出会い、彼の後妻としてイギリスの屋敷にやってくる。だがその屋敷では、マキシムの死んだ前妻レベッカの、見えない影が全てを支配していた……。ヒッチコックの渡米第一作となったゴシック・ロマン。
(出典:全洋画オンライン)
「白い恐怖」
これも昔TV放映されたズタズタカットの短縮版で観た様な気分になっていた一本。
原題は「SPELLBOUND」、どういう意味か調べたら「呪文で縛られた、魔法にかかった、」と言うことで、なるほどと納得。
こちらはグレゴリ・ペックとイングリッド・バーグマンの美男美女が活躍する本格ミステリ、と言うことでこれも面白かった。
夢のシーンはサルバドール・ダリがデザインした様で、これも観れば納得。
〔内容〕
新しく病院にやってきたバランタインという医師は、白地に縞の模様を見ると発作を起こすという奇癖を持っていた。やがて、彼の代わりに来るはずだったエドワーズ博士が、行方不明になるという事件が起こる。バランタインが疑惑の渦中に立たされる中、病院の女医コンスタンスだけは彼の無罪を信じ、発作の原因を追究するが……。
どうやら”レオ・G・キャロル”(0011ナポレオン・ソロシリーズのウェーバリ所長役)はヒチコック映画の常連の様だ。
ヒッチコック映画はいつでもどこでも安定の名作であり面白さ。