「ブリット」、この映画はリアル・タイムで観た、その動機は当時の少年雑誌「ボーイズライフ」で紹介された影響が大きい。
ともかく当時はサンフランシスコのカーチェース・シーンに度肝を抜かれてその印象だけが強く残ったが、あらためて(多分半世紀ぶりだと思うが)見ると、ハードボイルドな刑事ドラマとしてしっかり出来ている。
この後出現する「フレンチ・コネクション」とかとは少し趣が異なっていて後を引く終わり方をしている。
なおこの時の「フォード・ムスタング」が最高に恰好良い車として脳裏に焼き付いた。
〔内容〕
ギャング組織壊滅のため、司法取引によって一人のギャングが証人として当局に保護された。
だが、護衛を担当した刑事ブリットのミスで、証人は殺されもう一人の刑事も重傷を負ってしまう。ブリットは、証人が生きている、という偽の情報を流し、殺し屋を誘き寄せる作戦にでるが……。
主人公の刑事ブリットはこの映画の中ではへまばっかり、またロバート・デュバルがタクシーの運転手役でちょいと出ていて、編集で彼のシーンが大幅にカットされたのかも知れない、それとロバート・ヴォーンが悪役とも善玉ともつかない微妙な役どころをうまく演じている。
(昔読んだ記事では黒幕として紹介されていたが、今見ると微妙)
またこの映画以後のカーチェース・シーンはいやでも意識せざるを得なかったと思うし、フォード。ムスタングを日本人に知らしめたのもこの映画の功績と思われる。
なおこの後出現する日本の新型車はこのムスタングのグリルをまねたのが結構多かった。
昔の映画を見ると新たな発見があって、それもまた楽しい。