古典落語の「干物箱」はいろいろな名人が演じているが我輩が知っているのは、故・古今亭志ん朝師のやつ。
道楽息子が郭に遊びに行くのに、もの真似上手の悪友に自分の真似をさせてアリバイ作りをする滑稽話で、タイトルのユエンは次の様な会話から。
おとっつぁん 「おい、この間もらった干物はどこやったんだ、ねずみにかじられるといけねぇから」
替え玉のぜんこう 「おとっつぁん、それなら干物箱に入れときました。」
おとっつぁん 「そんなもん、うちにあったっけ~?、ちょっとそっちに行くぞ」
替え玉のぜんこう 「まずい!」
おとっつぁん 「なんか言ったか?」 替え玉のぜんこう 「いえ何も...」
てな会話の後に替え玉がばれ、財布を忘れた道楽息子が家に取りに帰りアウト。
土曜の朝、ゴマ鯖¥300で2本、真鱈¥200で2本を求めて干物にチャレンジ。
作り方はいたって簡単で、三枚におろしたのを塩で30分、醤油1:酒2のたれに30分着けて、約半日日当たりで干す、これだけ。
鯖は血合い骨を刺抜きで抜くのと、思い切って塩を水洗いして落とすのが味噌といえば味噌。
これは適当なサイズに切って根深葱と交互に串刺しにすると風情が出て一層旨い(と思う)。
干物は鮮度を維持するのに最高の手段で物によっては刺身より旨い。
今回初の真鱈は楽しみだ。
で、下は早朝特別に¥900で求めた鯖、もちろん〆て食するため。
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三枚におろしたのに塩をがんがん振って冷蔵庫で2時間、塩を洗い落として酢に漬けて5時間、皮を手で引き血合い骨を丁寧に抜いて、最後の様な刺身状態で完成。
山葵と醤油が最高に合う。
このレア具合は慣れない人が食すと当たるかも知れない、でも、体を壊してでも食べる価値有り。
魚の中で最も旨いのはと聞かれたら、迷わず「鯖」と答えるだろう、で、最も不味いのはと聞かれたら、「鮮度の落ちた鯖」
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