6月27日の毎日新聞の地方紙に下記記事が掲載されていたようで、今日ネットで見つけました。
心臓外科手術:岡大病院のカテーテル治療、豪のシンポで中継 /岡山
◇心房中隔欠損症「怖がらず治療を」
岡山大学病院でこのほど行われた心臓外科手術の模様が、オーストラリアで開かれた国際シンポジウム「心臓カテーテル治療シンポジウム2009」で、衛星回線を通じて中継された。同シンポでは、サウジアラビア、ドイツなど世界7カ国の手術室から手術の模様が中継され、同大病院は国内で初めて中継対象に選ばれた。【坂根真理】
同大は心臓手術で国内トップクラスの実績を誇る。中でもカテーテルと呼ばれる管を使った心臓手術の実績は過去4年間で、全国1000例のうち300例を執刀している。
患者は心臓の右心房と左心房を隔てる壁に穴があいた「心房中隔欠損症」の59歳と78歳の女性。手術は太ももから直径約3ミリのカテーテルを入れて心臓に到達させ、管の先端に取り付けた閉鎖栓で穴を閉じる。中継では、治療過程の細かい技術や手順などが公開された。手術は約2時間で終了した。患者は3日ほどで退院可能という。
手術を担当した循環器疾患集中治療部の赤木禎治准教授は「(開胸手術よりも)カテーテルによる治療の方が患者への負担が軽く、安全性も高い」と話す。心房中隔欠損症の2人は、生まれつき心臓に穴があっても目立った自覚症状はなく、40代を過ぎたころから、動悸(どうき)や呼吸困難などで日常生活に支障をきたすようになったという。
赤木准教授によると、国内には推計約2000人の患者がいるとみられ、世界では約5万人の患者がいるという。赤木准教授は「40歳を過ぎ始めたころから、自覚症状が現れやすい。手術を尻込みする高齢者の患者さんも多いが、放置すれば心不全で死亡する場合もあるので、怖がらずに治療を」と呼びかけている。
私のHPの「医療コーディネーター」のページにも記載いたしましたが、現在日本国内においてAMPLATZER心房中隔欠損症のカテーテル治療を行っている認定病院は19病院あります。中でもここ岡山大学病院の赤木准教授の元で行われたカテーテル治療が国内最多の実績を誇り、また最良の結果を得ているようです。
私の症例からしますと、心房中隔欠損症はその欠損孔を通じて左心房から右心房への血液の逆流が起こります。そして、長い年月の間にこの逆流が原因で右心房の肥大を起こし、その心肥大が三尖弁のいびつに繋がり、更にその結果として三尖弁閉鎖不全を起こしました。三尖弁閉鎖不全症の治療は開胸手術しか方法がありませんので、私のような症状の患者は心房中隔欠損症のカテーテル治療を受けることができません。
なので、心房中隔欠損症と分った方は三尖弁閉鎖不全という合併症が出る前に、早めにこのカテーテル治療をされることをお勧めいたします。
岡山大学病院ホームページ http://www.okayama-u.ac.jp/user/cvs/index.html