昨日は近所に住む71歳のトライアスロン仲間Kさんと一緒に現地に行きました。Kさんは、私が20年ほど前に通っていたスポーツクラブで募集したマラソン大会に一緒に参加したのがきっかけで、トライアスロンを始めた仲間の1人です。最近はもう殆ど会うこともなかったのですが、今年1月に泉の森で練習をしていた時に偶然お会いして話をしたところ、私と同じ佐倉マラソンに参加することが判ったので一緒に行くことにしたのです。
私はここ18年ほどフルマラソンからは遠ざかっていましたし、子供ができてからはなかなか時間が取れず、普段の練習もあまり出来ない状態でした。しかしKさんは、この間ずっと毎年5回程度はフルマラソンに参加していて去年の12月で何とフルマラソン100回参加を達成したそうです。今でも5時間を切って毎回完走を重ね続けているのです。そして何と!来月の霞ヶ浦フルマラソンにも申し込んでいるのだそうですいやぁ~すごいです!参りました!
会場まで行く道中はKさんとマラソンの話で大いに盛り上がって3時間以上の長旅もあっという間でした。
朝食は車中でおにぎり3ヶ、駅から会場までの間にバナナ2本、会場に着いてからはコンビニで買ったあんこの入った小さな薄皮饅頭を4ヶです。
ところで昨日は本当に寒かったです。朝8時の現地の気温は6度、風もあって寒さが身にしみます。スタート前は右ひざと太腿裏のことが大変気になって、この寒さで脚が攣るのではないかと本当に不安になりました。
そうそう、下痢止め「ストッパ」ですが、結局この薬を使うことは止めました。話は脱線しますが、先日26日(金)に長男達南中陸上部は大和市の中学校春季大会に参加しました。長距離のメンバーでは長男以外がこの「ストッパ」を使ったそうです。結果は「ストッパ」を使わなかった長男は自己ベストがでましたが、「ストッパ」を使った子たちは皆記録が伸びなかったそうです。皆口々に「記録がストッパになっちゃたよ」と言っていたそうです。このことが理由ではありませんが、どんな薬でも使わないで自然が一番かもと思い直したのです。「ストッパ」は使いませんでしたが、朝から完走するまで問題なく過ごせました。
さてレースですが、フルの参加人数は男女合わせて約7000人。すごい人数です。スタート位置はタイム分けの表示があって、私は3時間~3時間30分あたりの場所が空いていたのでそこからスタートすることにしました。そして9時30分スタートです。脚の具合を見ながらゆっくりペースでのスタートでした。右膝は何も違和感がなく、大丈夫そうですが、右足太腿裏はいやな感覚が残ったままで不安がいっぱいです。スタート直後は下り坂なのでペースが上がらない様に注意が必要でした。途中Team Aoyamaだったかそんな感じのチーム名が背中に入ったウエアを着た女性がキロ5分30秒ペースで走っていて一緒に併走する形になりました。少し速い気もしましたが、脚の不安も徐々に和らいできたので暫く一緒に併走することに。むさい男と走っているよりはずっと良いですからね。(笑)
5kmに最初の給水ポイントがあります。気温が低く私は給水するつもりはありませんので空いている道路の反対側へ寄っての走りです。しかし殆どのランナーが最初から給水をしています。ちょっとびっくりです。皆かなりスピードを落としてコップを取りに行きますので集団で走っていると結構危険な感じでした。給水をする時は気をつけようと思いました。そして、この給水ポイントから私は自然にペースが上がり、Team Aoyamaの美女とは別れてしまいました。ここででれでれ付いて走っていたら昨日の好結果は出なかったでしょう。やはり勝負に女は不要です。(笑)
5km通過が26分49秒でしたが、それ以降25キロまではほぼキロ5分の走りがスムースに出来、25キロ通過が2時間7分5秒というびっくりなタイムでした。レース中はアドレナリンが大量に分泌されていた様です。心拍数も最大160、平均でも140台の表示です。レースでは普段より心拍数が高くなるのでこの程度は心配しないようにしていました。ただ170を越えたらペースを落とそうと考えていました。
そして、25kmのタイムを確認したこの時点で目標を切り替えて3時間45分以内で完走しようと思い始めたのです。今度はいつフルを走れるか判らないのでこのチャンスを逃さない様にしようとも思ったのです。
給水は10、20、25、33、38kmポイントでそれぞれ取りました。結構こまめに取った方だと思います。そして昨日は気温が低く、風もあって体力の消耗が感じられ、25キロ付近でちょっとですが空腹感がありました。なので迷うことなく給水所のパンを食べようと思いました。レース中に水以外を口にするのは初めてですが、今回はパンを28、35kmポイントで取って食べました。パンはポソポソして食べにくいですが、少しずつ食べれば走りながらでも胃に落ちてくれます。パンと給水のコップを両手に持つのは走り辛いのでパンを取った時はパンだけです。そして33kmポイントでは水と一緒に飴も2ヶ取って口に放り込みました。糖分の摂取は疲れた身体に元気をくれます。
コースは田んぼや畑、そして印旛沼の周りを走ります。なので遮るものがありません、風が一番の敵です。特に20キロ手前からの印旛沼沿いのコースでは寒さと風で皆一様にペースが落ちだしていました。ここからがマラソンの楽しさです。いかに自分の身体をコントロールしてペースダウンを最小限にとどめるか、です。30kmを過ぎるとやはり疲労が襲ってきます。私はこのペースの落ち込みを食い止める方法として、1キロごとのラップを取るようにしました。幸いこのコースではコース上に1キロごとに距離表示がしてあります。キロごとのタイムを確認することでそれ以上の落ち込みをしないよう努めました。因みに30km以降38kmまでのラップは下記です。
5'41/5'33/5'31/5'23/5'42/5'35/5'38/5'35
35kmから38kmは本当にきつかったですが、38km地点では何故か「あぁ、後4kmしかこの走りを楽しめないなぁ~」と思ったのです。心臓手術をしたお陰でフルマラソンへの練習にも熱が入ったのは事実です。手術をしてくださった奥山先生やリハビリの徳田先生、大和成和病院の看護師の方たち、そしていつも通っている金本接骨院の金本先生のことなどが脳裏をよぎりました。こうやってフルマラソンを走れるのは皆さんのお陰です。本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。後4kmで私の夢が叶うぞと改めて思い、力が湧いてきたのです。練習では36kmまでの走りしかしていません。寒さで体温もかなり下がっているのが判ります。脚も腕もだんだん言うことを聞いてくれなくなります。でももう後4kmしかこの楽しみ(気持ち次第で苦しみになってしまいますが)を味わえないぞ、頑張れ!と自分を励ますことができたことに喜びを覚えながらの走りでした。38km以降42kmまでのラップは
5'33/5'57/5'26/5'46 でした。40kmまでの1kmが6分目前まで落ちましたが、この後持ちこたえることができたのはやはり私を支えてくれたみんなのお陰です。そして沿道であと少しだぞ!頑張れ!と応援してくれた佐倉の人たち、特に40km付近で太鼓を叩いていた子供たちに感謝です。
ゴールの競技場手前では最後の上り坂が待ち構えていましたが、坂は普段の練習で走っていましたので、さほど苦にはなりませんでした。そして競技場に入ってからはゴールへ向かうランナー一人一人にフルネームの名前に加え、「後少し、頑張れ!」とマイクを使った声援が出迎えてくれました。私は男性と女性からそれぞれマイクを通した声援を送られ、ついガッツポーズがでてしまったのです。この最後の声援は本当に嬉しかったです。感謝、感謝です。
こうして私の42.195kmは無事終了することができました。心臓手術から1年と1ヶ月という短い期間での達成に感慨無量です。最後の練習の時には不整脈が起きた感があり、どうなることかとも思いましたが、レース中の心拍計を確認した限りではレース中に不整脈が発生した形跡はありませんでした。レース終了後も身体の異常はまったく感じることがなく、元気なままです。私の心臓は本当に元気です。フルマラソンを走ってもへこたれた様子はありません。次回6月22日の外来では奥山先生にしっかり診てもうらおうと思っています。
さて、連れの71歳のKさんですが、今回もこの寒さと風の中堂々4時間57分で見事完走いたしました。拍手&脱帽。